登山道具の選び方

【初心者向け】登山用テントの選び方とお勧めのテント

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涸沢・北穂高岳

日帰り登山に慣れてくると、次のステップとして1泊2日くらいの登山を検討する人も多いはず。

山で宿泊する場合、基本的には山小屋に宿泊するか併設されたテント場にテントを設営してテント泊するかのどちらかになる。初心者の方の場合、「まず山小屋泊から初めて慣れてきたらテントを・・・」という風に考えている人が一般的なのではないだろうか。

登山用のテントは高価だが、山小屋泊数回分と考えれば、早い段階での投資のほうがコストパフォーマンスは高い。数万円する高価な買い物にはなるが、いちど用意してしまえば次からはテント場に高くても1,000円程度支払うだけで山に宿泊することができる。

今回は初めてテントを購入しようと考えている方のために、登山用テントにはどのような種類があって、どういうテントを買えばよいのかということについて書いてみたいと思う。

登山用のテントについて

裏銀座縦走

登山用のテントは結構高い。

なるべく安いテントを選びたいところだが、テント場で快適にすごすためにはケチってはいけない。

もしあなたが無尽蔵な体力と強靭な足腰を持っているのであれば、Amazonなどで販売している「安かろう重かろう」なテントで頑張ってみるのもいいかもしれないが、山岳用のテントは耐久性に優れているからちゃんとメンテナンスすればそれなりに長持ちするし、山小屋泊数泊分と考えればそれほど高い投資にはならないはずである。

登山用テントの特徴

登山におけるテント泊は、山小屋に併設されているテント場にテントを設営して宿泊する。

日本の高山では稜線上に建っている山小屋が多く、そういった山小屋に併設されているテント場では時に厳しい天候下に置かれる場合がある。登山用テントは、悪天候下でテント泊を余儀なくされた場合でも、安心してすごすことができるように設計されている。

悪天候でもしっかりと登山者を守る堅牢性と、軽量でコンパクトに収納できる携帯性を兼ね備えているのが登山用テントの特徴と言える。

キャンプ用テントと登山用テントの違い

キャンプで使うテントは車でキャンプ場まで移動して、テント場まで持ち運ぶだけであるため、重さはそれほど重要視されない。

もしキャンプ用のテントを登山で使おうと思ったら、目的地までにかなりの体力を消耗することになるだろう。キャンプ用テントと登山用テントの異なるポイントは「重量」と「携帯性」のふたつ。キャンプ用テントを登山に流用できなくはないが、登山用テントよりはるかに重く、かさばるため、あまりおすすめはできない。

キャンプ用のテントも登山用のテントも、それぞれ使用するシチュエーションによって求められる機能が異なるため、キャンプ用のテントを持っているからといって登山に持っていけるとは限らない。

テントの種類

登山用のテントにはざっくり4種類に分類することができる。

自立式

自立式のテントは、ペグを打ったりロープを張らなくてもテント本体だけで成立する文字通り「自立」するテントを言う。

一般的な登山用テントはほぼ自立式テントと呼ばれる仕組みになっていてる。ただ、自立式といっても風に飛ばされないように設営後はペグを打って、ロープを引いたりしてテントを地面に固定する必要がある。

非自立式

非自立式は、自立式テントとは対照的にペグやロープを張ることで成立する。軽量なテントによくみられる形式で、自立式テントと比較すると設営に経験やコツが必要になってくる。

ここまでが骨組みの話で以下はフライシートの構造の話。

 

シングルウォール

シングルウォールとはテントに張る幕(フライシート)が1枚(シングル)のテント。

1枚の壁という意味でシングルウォールと呼ばれている。

モンベル(mont-bell) テント ULドームシェルター2型 スプリンググリーン [1~2人用] 1122392

このタイプのテントは作りがシンプルなので、設営がしやすく軽いのが特徴。

しかし、幕が1枚しかないためテントの中外に気温差が発生すると、テントの幕が結露して内部を濡らしてしまうデメリットが伴う。寒い日に家の窓ガラスの内側が濡れることがあると思うが、あれと仕組みは同じである。

軽量でシンプルな構造であるため、結露しやすいというデメリットを受け入れたうえで愛用している登山者も多い。

ダブルウォール

ダブルウォールとはシングルウォールと違い、幕が2枚あるテントを言う。

モンベル(mont-bell) テント ステラリッジテント 1型 [1人用] サンライトイエロー 1122475-SUYL

ダブルウォールテントは、通気性の高いインナーテントの上にアウターテントを張り、テントの幕を2枚構造にすることで結露によるテント内の濡れを防いでくれる。アウターテントに結露を起こすことで、インナーテントを快適に保つことができるのだ。

また、テントの出入り口付近にインナーテントとアウターテントのスペースを設けることで「前室」と呼ばれる玄関のような空間を確保することができる。

前室

▲ダブルウォールテントの前室の様子

このように登山用テントは自立式・非自立式・シングルウォール・ダブルウォールと形状や構造にそれぞれ特徴がある。

最初に4種類あると言ったのは説明した特徴が以下のような組み合わせで販売されているためである。

  1. 自立式のシングルウォール
  2. 自立式のダブルウォール
  3. 非自立式のシングルウォール
  4. 非自立式のダブルウォール

登山用テントの値段

涸沢・北穂高岳

登山用のテントは結構高い。

ひとり用のテントでも4万円くらいの予算は見積もっておいたほうがいいだろう。高い!と思う方もいるかもしれないが、北アルプスの稜線上の山小屋に宿泊すると食事付きで1万円弱くらいはする。

山小屋泊4回分と思えば出せなくはない支出のはずである。いちど購入してしまえば長く使えるし、もし自宅周辺で災害が起きても持ち運びのきく簡易住居として使うことができる。登山用品は災害時にも役立つのである。

初心者にオススメの山岳テント

登山用テントは登山靴やザックと違い、フィッティングの必要がないため、インターネット通販で購入してもそれほど問題はない。ただ、高額な商品であるため登山用品店でポイントカードの取り扱いがあるのであれば、そちらを利用したほうがお得かもしれない。

例えば好日山荘では購入価格の10%のポイントを付けてくれる時期などもあるため、急いでテントを購入しなければならない理由がない場合は、高いポイント還元の時期を狙って購入すればインターネット通販を利用するよりもお得になる。

アライテント エアライズ1

アライテント(ARAI TENT) エアライズ1(AIR RAIZ1) オレンジ 1人用 34224405

登山用テントといえばこれ。

超定番のエアライズ1は、自立式のダブルウォールテントで、軽量で設営がしやすく耐風性能もばっちり。唯一難点を挙げるとすれば「みんなが使っているため、テント場で自分のテントを見失ってしまう」ということくらい。

定番すぎて面白味がないという人もいるが、高いお金を払って購入するテントだから、頑丈で長く使えるものを選ぶのがいちばんだ。

写真はインナーテントの状態で、この上にフライシートを被せて使用する。※別売ではなくちゃんとセットになっています

モンベル ステラリッジテント1型

モンベル(mont-bell) テント ステラリッジテント 1型 [1人用] サンライトイエロー 1122475-SUYL

アライテントのエアライズ1よりも少し安く購入できるモンベルのステラリッジ1型は、エアライズ1以上に普及していて、石を投げればステラリッジに当たるといってもいいくらいユーザーが多いテントだ。

テントの形はエアライズ1と同じクロスポール型で、軽量で優れた耐風性能を持っている。

こちらも難点はエアライズ1と同じで、普及しすぎて自分のテントを見失ってしまうこと。

ただ最近はフライシートの色が選べるタイプになり、黄色一辺倒のイメージから脱却しつつある。

涸沢・北穂高岳

上の写真はシルバーウィークの涸沢テント場。黄色いテントのほとんどがモンベルである。

これだけモンベルのテントが多いのは、価格と品質がユーザーに認められている証拠でもある。ただ、テント場で迷子にならないように広いテント場では自分のテントに目印を付けてすぐに見つけられるようにしておきたい。

 

僕の持っている登山用テント

僕は登山用のテントを何も考えずにAmazonで注文してしまったため、上で勧めているようなテントを最初は購入しなかった。

MSR HUBBA HP

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もともと熊野古道を歩く時に念のためにと思って購入したテントで、Amazonレビューだけを頼りに選択したテントだった。しかし後々調べてみるとMSRは登山用のテントとして実績と人気を兼ね備えたブランドであることがわかり安心した。

軽量で設営がしやすく、使い勝手が非常に良いテントではあるのだが、耐風性能にやや不安が残る。北アルプスなどの稜線上でも普通に使うことはできるが、悪天候が予想される場合は積極利用は避けたいと考えている。

モンベル ステラリッジテント2型

燕岳登山

南アルプスの北岳に登った時に、北岳肩の小屋のテント場で暴風雨に襲われ、上のMSRのテントで眠れぬ夜を過ごした経験から、風に強いクロスポールのしっかりした作りのテントを購入することにした。

当初はアライテントのエアライズ1を買うつもりだったが、モンベルのアウトレットで安く販売されているのを発見し、こちらに決めた。

このテントは若干重量はあるものの、室内は広々(もともと2人用なので)しているし、耐風性能も素晴らしい。荷物を極力減らして軽量化したい時はMSRのテントを、テント場についてからの快適さを求める場合はステラリッジをという風に使い分けている。

オニドーム1

唐松岳

おすすめテントのひとつ目に紹介したエアライズ1の販売会社が新たに発売した新商品がオニドーム1。

登山の書籍に掲載されていた新発売の記事を見て一目惚れし発売開始直後に購入した。

軽量で台風性能にも優れ、かつ前室が割と広いという非常に素晴らしいテントで、室内も1人で使用するには十分の広さ。メインで使用していたステラリッジテントの出番があっという間に減ってしまったのは言うまでもない。

 

とにかく安いテントが欲しいという方は

・・・とここまで登山用テントについて書いてきたが、最低でも4万円はかかる買い物で躊躇してしまう方もいるかもしれない。そこで、超格安テントがないかを探してみたところ、Amazonで7千円ほどで購入できる商品を発見した。

TRACK MAN アルミ製 防水 テント ダブルウォーム 式 1人用

TRACK MAN アルミ製 防水 テント ダブルウォーム 式 1人用

見た目はアライテントのエアライズ1にそっくりだが、価格は4分の1以下で見た目もなんとなく頼りないが、Amazonのレビューは割と好意的なものが多い。

コストパフォーマンスは良さそうだが、このテントを中央アルプスの木曽駒ケ岳で使用した方のレビューを見ると、悪天候下での使用は控えたほうが良さそうだということと、ペグは別途購入したほうが良さそうだということがわかる。

重量は約1,620gと一人用テントとしては重い部類に入るが、何といっても1万円を切る激安テントであるため、お試しで使ってみるのも良いかもしれない。

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このテント、どこかで見たことがあるなあと思っていたら、職場の同僚と雲取山にテント泊で登った際に、奥多摩小屋のテント場で使っていたのを思い出した。

上の写真の一番左に見切れて写っていた。

この時は夜にそれなりの風が吹いていたが、特に問題なく使用できていたようだった。

ただ、非常に安いテントであるため、強風に見舞われる可能性のある高山のテント場での利用は避けたほうが良いだろう。奥多摩周辺の山や、テント場が樹林帯にあり風の抜けが少ない場所であれば、トラブルに見舞われる可能性は少ないはず。

とりあえずテント泊をしてみたいという人がお試しで買うにはよいかもしれないが、すでに登山を趣味にしていてこれからテント泊を考えている方であれば安物買いの銭失いはせずに、最初から適切な山岳用テントを購入することをおすすめする。

 

登山用テントまとめ

以上、登山用テントについて書いてみた。

日帰り登山も楽しいが、テント泊登山はもっと楽しい。狭いながらも十分に確保できるプライベートな空間は、山小屋泊とは違った楽しさ・素晴らしさがあると思う。

ワンランクアップした登山を考えている方は、山小屋泊をすっ飛ばしてテント泊登山に挑戦してみてはいかがだろう?

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