奥多摩・奥秩父 登山

10月下旬の雲取山で紅葉狩り

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雲取山

登山が趣味ですと言っているわりに、あれやこれやと用事が入ったり、天気が思わしくなかったりで山に登れていない今日この頃。

ようやく週末に2日間休みが取れたため、どこかにテント泊で登りたいなとは思ったものの、北アルプスや南アルプスはもうほとんど冬だし、奥秩父も標高の高い山はそろそろ厳しそうだ。それならば「近いうちに」「そのうちに」「気が向いたら」「機会があれば」といった感じで、タイミングを逸してしまっていた東京都内最高峰の雲取山はどうだろうとインターネットの山専門の天気予報「山の天気予報」を確認したところ、なかなか良さそうだということがわかった。

10月下旬ともなれば、そろそろ紅葉も見頃のはず。雲取山は登山を始めた最初の年に同僚と登った山で、テント泊を始めてした場所でもある。あれから2年。僕はどれくらい成長しているかを確かめる良い機会かもしれない。

行き先を決めた僕は、仕事を終えた帰りに簡単な食材を購入し、翌日に向けて自宅でビールを飲みながら荷造りを開始した。今回は今年に入ってずっとやろうとしたまま実行できなかった、ファストパッキング的な装備でテント泊に挑戦してみることにした。

ファストパッキングというのは、荷物をできるだけ軽量化して、平坦路や緩やかな下坂などは歩かずに「走る」スタイルと言われている。山をがっつり走るトレイルランニングとは違って「走れる区間は積極的に走る」というもの。他にもスピードハイクと呼んだりすることもあり、定義や理解は人それぞれのようだ。

とにかくそんなわけで、ファストパッキングの真似事をずっとやってみたかった僕は、それらしいザックに普段の道具を無理やり詰め込んで荷造りを済ませた。そしてビールでしこたま酔った僕は翌朝に向けて早めにベッドに入った。

鴨沢に向けて出発

土曜日早朝。雲取山登山のスタート地点である鴨沢へ車を走らせた。

僕のカーナビゲーションはまあまあの性能だと思っていて、それなりに信頼を置いている。時々とんでもないルート案内をすることがあるにはあるが、概ね間違いのない満足度の高いナビゲーションをしてくれる。この日も当然普通のルートを案内してくれると思っていたのだが、そうはならなかった。まあ、色々あって遠回りした感は否めなかったが、とりあえず想定していた時間よりも少しオーバーした程度で鴨沢に到着することができた。

前に来た時は国道411号線沿いの駐車場は登山客も利用できたはずだったが、今回訪れた際に確認したところ、どうやら住民用の駐車場になっていて停められそうになかった。小袖乗越駐車場への道も通行止めで先へ行けなさそう。(別のルートで行けるらしい)仕方なく、鴨沢のバス停のすぐ上にある広場に車を停めて出発することにした。

この日は朝から野生のニホンサルたちが騒がしく、歩いたり走ったり数匹が周囲をウロウロしていた。前に来た時は鳴き声が少し上の林の中から聞こえるくらいだったが、こんな人が普通に往来しているところにまで降りて来るんだと驚いてしまった。

鴨沢の駐車場を出発

鴨沢のバス停周辺から出発した場合、雲取山の登山口まで結構な距離を歩かなければならない。しばらく山を歩いていなかったせいもあり、スタートから足が重い。荷物をだいぶ軽くしたはずなのに、なかなか足が進まず息が切れる。

小袖乗越駐車場に到着すると、狭い敷地(の外にも)にところ狭しと車が停まっいた。僕が行こうとした道路は工事中で通行止めだったんだけど、これだけ車が停まっているということは、どこか別の場所から入る道路があるということなのだろう。この駐車場に車を停められればコースタイムを30分くらいは時間を短縮できるんだけど。

雲取山登山口から奥多摩小屋へ

駐車場から舗装された道路を少し歩いた先の左側に、雲取山の登山道入り口があり、ここからがようやく本格的な登山が始まる。まずは本日のテント泊予定地の奥多摩小屋を目指す。

雲取山

以前に雲取山に登った時は11月下旬ということで、麓のあたりから紅葉がすでに始まっていて、石尾根や奥多摩小屋あたりは枯葉もすっかりどこかに消えてしまって、木々は葉のない幹と枝だけの状態だった。今回は10月下旬ということで、山頂付近もまだ紅葉を楽しめるはず。期待を胸に退屈な樹林帯を淡々と歩いていく。

スタート時は重かった足や体も、体が慣れてきたこともあり、徐々に自分のペースが戻ってきた。順調に距離と高度を稼ぎ、七ツ石小屋の分岐に到着した。以前にここに来た時は、七ツ石小屋で休憩しつつ昼食を食べたりと結構のんびり体を休めたが、この日は腹もそれほど減っていないしトイレも問題なさそうだと判断し、七ツ石小屋はパスして巻道を進むことにした。

ほのぼの親子

雲取山

七ツ石小屋の分岐を出発した僕の少し前を歩いていた親子の会話がなんだかほのぼのしていて思わず頬が緩んでしまった。

父「よし!ここは巻いていこう!」

息子「巻いていく?」

父「そう、巻道を行くことを巻いていくって言うんだ」

息子「へー、巻くってなんか美味しそう」

父「笑」

小さいザックに山のピンバッジ(おそらくこれまで登った山)を付けたお姉ちゃんと弟は、まだ小学生と幼稚園児くらいの年齢なのに、お父さんについて頑張って歩いていた。

雲取山

途中でこの親子の横をスッと抜き去り、さらに先へ。このあたりにくると木々の落葉も結構進んでいるようで、足元は落ち葉でフカフカの絨毯のようになっていた。こういう道をサクサク音を立てながら歩くのも秋らしくて楽しい。

雲取山

鴨沢から雲取山へ向かう登山道は、時折キツめの登りもあるにはあるが、比較的歩きやすい道が多く、走り出したくなるような平坦路も意外と多い。天気に恵まれ、木々も色づき、体調もまずまず。景色を楽しみながら楽しく歩いていたらあっという間に奥多摩小屋に到着してしまった。

奥多摩小屋のテント場でテント泊の準備

雲取山

まずはテント場の申し込み(500円)をして、めぼしい場所に荷物を置いて小屋で購入したスーパードライを飲んだ。奥多摩小屋にはアサヒのスーパードライ350缶しか売っていない。お菓子やおつまみなどは一切ない。テント場の幕営料とビールで千円札一枚という明瞭会計。

雲取山

奥多摩小屋のテント場でビールを飲みながら紅葉に染まるあたりの風景を見ていたら「まさに至福の時!もう山頂とかどうでもいい!」そう思えてきた。まあとりあえずテントを設営して、しばらく休憩したのちに考えようと思い、ザックからテントを出して設営することにした。

雲取山テント泊に持ってきた道具類

雲取山

今回の登山ではファストパッキングの真似事をするつもりで来ていることもあり、できる範囲の軽量化を図ってきた。ザックはOMM(オリジナルマウンテンマラソン)というブランドのClassic32という製品で、その名の通り容量が32リットルと非常に少ない。ところが、ザックの造りシンプルだからなのか、モノがあれよあれよと入る。また、ザックの背面には折りたたまれた薄手のマットが入っていて、テントの中に敷いて使うことができる。

ザックの中に入れてきた主な荷物はこんな感じ。

雲取山

  • テント:MSRのHUBBA HP(緑色)
  • シュラフ:モンベルのスパイラルダウンハガー#2(黄色)
  • マット・枕:モンベル(赤)
  • ダウンジャケット(青)
  • ダウンパンツ(黒)
  • クッカー:ジェットボイルミニモ(写真中央上)
  • その他:ヘッドライト、ランタン、食器類などなど

一般的な登山道具以外には一眼レフの交換レンズ1個とバッテリー数個、Gopro Hero4 Blackとそれを取り付ける3軸のジンバルなどを一緒に持ってきた。

ビールを飲んだら動悸と息切れに襲われた

雲取山

テントを設営した後に、小屋の少し下にある水場まで水を汲みにいくことにしたのだが、ビールで酔いが回ってしまったのか動悸と息切れが・・・。ちょっと動いただけで動悸が激しくなってしまうため、ゆっくり階段を上ってテント場に戻り、設営したばかりのテントの中でしばらく昼寝をすることにした。

しばらく体を休めていたら体調が元に戻ったため、このまま寝ていても時間がもったいないと気持ちを改め、雲取山の山頂へ向かうことにした。

雲取山の山頂へ

雲取山

奥多摩小屋から山頂へのコースタイムは約1時間。下りが40分くらいだから、山頂での休憩を含めれば往復で2時間くらいで戻って来れそう。不要な荷物はテントの中に置いていくため、奥多摩小屋までの道中よりもさらに身軽になって楽々山頂まで歩くことができる。

雲取山

昼寝をしたあとはすっかり元気になり、さっきの症状はなんだったんだろうというくらい復活した僕は、山頂までの道のりを軽快に歩くことができた。

山頂には七ツ石小屋への分岐の先で追い越した例の親子が休憩をとっていた。お姉ちゃんのほうが「ねえ今からだったら日帰りできるじゃん」「帰ろうよー」と父親に帰りたいアピールをしていた。楽しそうに登山をしていると思っていた姉弟だったが、やはり中身は子供。まだまだ花より団子なんだろうなあ(笑)

雲取山

雲取山

雲取山の山頂は、前回上った時もそうだったけど、それほど感動的な展望はない。やはり僕は奥多摩小屋のテント場でのんびり外を眺めるのが好きだ。さっさと戻ってビールを飲むしかないなと思い、写真を数枚撮影してすぐに奥多摩小屋へ向かった。

奥多摩小屋のテント場に戻ってふたたびビール

雲取山

小屋に戻った僕はふたたび500円のスーパードライを購入した。テントの外にちょうど座りやすい木の根があり、そこに座って紅葉に染まる木々や遠くの山々を眺めながらビールを飲んだ。

雲取山

夕方に近づくにつれ、日差しはまだまだ暖かかったが、時々スッと吹き抜ける風が少しひんやりしてきたため、夕暮れ時までの間をテントの中ですごすことにした。特にすることもないため、iPhoneのKindleアプリで読書をしたり、ウトウトしたりしているうちに、腹が減ってきたた。

かなり早い晩御飯

ちょっと早すぎの感もあったが、朝から満足に食事を摂っていなかったため、16時過ぎくらいから晩御飯の準備にとりかかることにした。

雲取山

今回試しに使ってみようと近所のKALDIで生パスタを買ってきた。生パスタは一般的なパスタと違って非常に柔らかい。山では小さいクッカーで調理するため、普通のパスタだと半分に折って茹でる必要があるが、生パスタは柔らかく長さを半分に短くすることなくそのまま茹でることができる。

雲取山

雲取山

ジェットボイルミニモで湯を沸かしてパスタを入れて茹でる。山では茹で汁を捨てる場所がないため、水は極力少なめにする。茹で汁は豚汁のフリーズドライに使った。パスタにはそのまま和えるだけで食べられるミートソースを持ってきたのだが、豪快に混ぜ混ぜした結果、写真を公開しても誰の得にもならない状態になってしまったため、あえて掲載はしないことにした。

味は僕の最低限の要件は満たしていたことを付け加えておく。

奥多摩小屋のテント場から見る夕暮れ

雲取山

雲取山周辺は山に囲まれていることもあり、日の入りの時間よりも早い段階で太陽が山の向こうに隠れてしまう。この日は17時前には山の向こうに沈んでいってしまった。

昼間は結構暖かかったが、日が沈むとあたりは一気に冷え込んでくる。前回は11月下旬で尋常じゃない冷え込みかただったが、今回は10月下旬ということで寒いことには変わりはないが、前ほどではなかった。

雲取山

太陽は山の向こうに沈んでいってしまったが、まだ周囲はそれほど暗くはなく、遠くの山々がかすかに陽の光で色づいている。山と空の間に薄ピンクのぼんやりしたラインが見えてなんとも美しい。富士山の方角もなんだか水墨画のような濃淡になっていて、またこれも美しい。

ダウンジャケットを着込んで寒さ対策をしたうえで、しばらく暮れてゆく山並みを堪能し、暗くなったところでテントに戻った。

就寝

18時くらいには眠りについたと思う。

ただ、普段どれだけ疲れていても18時に眠ることなんてありえないわけで、当然途中で目が覚める。僕は山で満足に眠ることができないため、何度も目が覚めては腕時計で時間を確認し、長い夜をすごしながら朝を待つというパターンが多い。もうテント泊は何回も経験しているわけで、慣れとかそういう問題ではないらしい。

僕の中では未だに山で快適に眠る方法を見つけられないでいる。腰も痛いしなんとかならないものだろうか。

テント場の強風

何時ころからだったかよく覚えていないが、何度か目を覚ましているうちに、テントの外で風が激しく吹いていることに気がついた。テントのフライシートはパラパラと音を立てていて、何かが落ちてきているようだった。最初は「雨かな?」と思ったのだが、どうやら強風で枯葉が木の枝から飛ばされてテントに落ちてきているようだった。

時間が経っても風の勢いは衰えることはなく、むしろ強くなっていった。僕は以前に標高3,000mのテント場(北岳肩の小屋テント場)で猛烈な風雨に襲われた経験があったため、多少の免疫がついていたようだ。これが初めての強風だったら気が動転してしまっていたかもしれないが、今回は風は強いが雨は降っていないしかったし、北岳の時と比べれば可愛いものである。

風は朝まで吹き続け、とうとうテントの前室側のペグが強風にあおられて抜けた。

起床・朝食

日付が変わってからほとんどまともに眠ることができなかった僕は、3時30分くらいからテントの中でもぞもぞと活動を開始し、まずは暖かいコーヒーを飲もうと思いお湯を沸かした。ジェットボイルミニモは湯沸かし性能は非常に高いことで有名なのだが、どうやら持ってきたガスの残量があまりないらしく、火力が思ったように出すことができない。このあとリフィルのどん兵衛を食べようと思っているのだが、ガスは持つのだろうか・・・と少し心配になる。

その後、なんとか湯沸かしに成功し、どん兵衛を食べることができた。

撤収・下山

雲取山

雲取山

雲取山

あたりが明るくなってきたところでテントの撤収を開始した。奥多摩小屋を出発したのは6時少し前くらいだった。風は相変わらず強いが、雲は少なく展望はバッチリだった。

下山はできるだけスピーディーにしようと思い、平坦路を少し走ってみることにした。

実際に走ってみた感想は「結構面白い」だ。

僕はザックを背負いつつ、Goproを入れたサコッシュとマイクロフォーサーズのミラーレス一眼を左右に斜めがけしているため、走るとそれらが弾んで体にバンバン当たってしまう。したがって、あまりスピードを出して走ることができず、「面白い」が「結構面白い」になってしまった。荷物の少ない状態でもっと身軽に走ることができたら「結構面白い」が「かなり面白い」に変わるはずだ。

雲取山

そんなわけで、前半は結構軽快に走っていたのだが、徐々に足への披露が蓄積して歩くのも大変な状況になってきたため、後半はゆっくり落ち着いて歩くことにした。序盤走ったこともあってか、奥多摩小屋から2時間ちょっとで鴨沢まで下りてくることができた。

約2年ぶり2回目の雲取山登山。

雲取山は途中途中で少し斜度の厳しいところがあるにはあるが、全体を通してとても歩きやすい登山道で、石尾根に出てからの眺めも素晴らしく、歩いていてとても楽しい気分になれる山だということを改めて実感した。ちょっと頑張れば日帰りできる山なんだけど、僕はやっぱりテントを背負ってのんびり1泊するテント泊登山が好きだなあ。

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