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秋の熊野古道 小辺路を歩く 2日目

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小辺路 世界遺産の熊野古道を歩く旅。

スタート地点の金剛三味院からゴール地点の熊野本宮大社までは約70km。長く険しいルートを2泊3日で歩いた旅の記録の2日目。

伯母子峠の朝

避難小屋での睡眠は快適と呼ぶには程遠いものだった。

固い床の上にマットを敷いて寝袋で寝ようとしたものの、なかなか寝付くことができなかった。ウトウトと眠っては寝心地が悪くて目が覚めるを繰返し、朝を迎えた。

僕よりも早く避難小屋に到着していたソロの男性は、朝4時過ぎくらいからガサゴソと準備を始め、食事をとって出発していった。彼は小辺路を歩くわけではなく、周辺の山々に登るために来たと言っていた。 朝の5時を過ぎたあたりで僕も出発の準備を始めた。

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昨晩同様にフリーズドライの食品をお湯で戻して頂く。

朝食を食べている間に、昨晩到着してすぐに寝袋に入って爆睡していたソロの男性が小屋を出発した。就寝が一番遅かった夜の宴会組の3名は、僕が出発前のトイレに入るくらいのタイミングで出発していた。 僕は3人組のすぐ後に追いかけるようなかたちで出発となった。

天気は懸念していたとおり雨だった。  

ひたすら下山

2日目の目的地は十津川温泉。

十津川温泉まで行くには、初日に頑張って登ってきた伯母子峠を下山し、さらに三浦峠という山を超えて行く必要がある。2泊3日で、1日ひと山のペース配分ということになる。

伯母子峠の避難小屋を出発した僕は、なかなか順調なペースで歩けていたと思う。登りはてんでダメだけど下りは非常に楽である。あまり眠ることはできなかったが、前日は夕方からずっと体を横にして休んでいたため、疲れも少しは取れていたのかもしれない。

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6:32 伯母子峠からの下りは結構道が狭く、落ち葉が道の上にびっしり敷き詰められていて、雨で濡れているため、足元に注意しながら歩いた。  

恐るべしトレイルランナー

しばらく歩いていると、非常に軽装なマラソンランナーのような人たちが、後ろから走ってきて僕を次々と追い抜いていく。どうやら山中をマラソンのように走るトレイルランの大会が開催されているようだった。

後で聞いた話だと、僕が伯母子峠の避難小屋を出発する朝6時よりも2時間前の4時に高野山をスタートし、今日のうちにゴール地点の熊野本宮大社まで走るのだとか・・・。

「僕はここまで1泊2日かけて来ているんですけど・・・」

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8:14 伯母子峠の下り後半は、雨で濡れた石畳が多く、斜度も結構キツい場所などもあって、普通に歩くだけでも転んでしまいそうで怖いのに、トレイルランの参加者の方々は、ひょいひょいと軽快に僕を追い抜き走り去って行く。  

三田谷バス停前で休憩

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8:54 伯母子峠を下ったところに休憩ポイントがあった。

次の峠の入口である三浦口バス停の手前の三田谷バス停前には三田谷バス停前に公衆便所があり、そこでおばちゃんが飲み物を販売している。

そこには僕よりも先に伯母子峠の避難小屋を出発したソロの男性がちょうど休憩中で、朝食を食べていた。僕は伯母子峠の避難小屋で朝食をすでに食べていたため、軽い補給として一本満足バーを食べ、おばちゃんが販売している飲み物を購入することにした。

ここは普通の商店などのように店内に商品を陳列しているわけではない。屋根付きの小屋のようなところに、家庭用の冷蔵庫がおもむろに設置してあり、その中に色々な飲み物が入っている。 僕はその冷蔵庫の中に神々しく輝く飲み物を発見した。

アサヒスーパードライ・・・。  

朝ビール

僕は迷った。

早朝から体を動かし続け、ビールを美味しく飲むことができる状態にはなっている。でも時間的にはまだ朝だし、今日のうちに三浦峠という峠をひとつ超えなければならない。でも・・・。

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9:12 ・・・買ってしまった。スーパードライのミニ缶。

こんな朝っぱらからビールなんていいのだろうか? そんな迷いもあったが、休憩中のソロの男性、僕のあとに到着した小屋で一緒だった3人組もこぞってビールを美味しそうに飲んでいる。まあいいだろう。

もうお金を払って買ってしまっているわけだし。よし、飲もう!

そのときの僕のイメージ図。

カイジ カイジ ここまで感情を表には出さなかったけれど、心の中ではまさにこんな感じだった。

スーパードライは僕の体内にいつも以上に素早く気持ちよく吸収されていったような気がした。朝の9時過ぎからこんな調子で良いのだろうか。。。 しばらく休憩し、トイレと水の補給を済ませ、他の方々よりも少し早く出発することにした。  

三浦峠へ

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9:43 橋を渡り三浦峠の登山口へ。

今日は14時までに、三浦峠を超えた先にある西中バス停に行く必要があった。西中バス停から十津川温泉までは非常に長い舗装路が続くため、バスでショートカットすることができるのだ。このバスに乗り遅れると、十津川温泉までの舗装路を2時間延々と歩くことになってしまう。

熊野古道の小辺路ルートで、ここをちゃんと歩くかショートカットするかは人それぞれ考え方があるようだけど、僕は初日を終えた段階でバスに間に合うのであれば絶対に乗ろうと決めていた。

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はい。

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登り始めにある石畳は非常に綺麗・・・だけど滑るし登りづらい。

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10:13 吉野家跡にある樹齢500年くらいの防風林。なかなかの迫力だった。

ここで三田谷バス停そばで休憩していたソロの男性に追いつかれた。お互いソロ山行であるため、写真を撮り合ったりしたのち、一緒に先へ行くことになったのだが、早々に僕がバテて離脱することに・・・。

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11:06 三十丁の水。ネットで落とした地図だと吉野家跡からここまでは35分くらいで来れるはずなのだが、登りでヘロヘロになっていた僕は1時間近くかかってしまった。

三田谷バス停そばでビールを飲んでじっくり休憩していたはずの3人組にここで追い抜かれた。

みんなやっぱり僕よりも歩くのが早い。いや、僕が休憩しすぎなのかもしれない。

一人になるとペース配分も休憩も自由自在であるため、自分に甘い僕は休憩ばかりしてしまう。ちょっと歩いては休んでいる僕とくらべて、ゆっくりでも休まず少しずつ歩数を稼いで進んで行く人たちのほうが結果的に先に進めるのだろう。

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11:42 記憶が定かでないのだがこの写真はたぶん頂上につく少し前に撮ったものだったと思う。もうこの辺りは、14時までに西中バス停にできるかどうかが怪しくなってきて、まともに写真を撮影することができなかった時間帯。頂上に到着した時刻もよく覚えていない。  

三浦峠山頂

やっとの思いで三浦峠の山頂に到着した。

休憩所では僕よりも先を行っていたソロの男性と3人組が休憩中だった。 僕が到着してすぐに3人組は荷物を整理して出発してしまった。目当ては僕と同じで14時に西中バス停を出発するバスだ。僕もうかうかしていられないと思い、小休止したのちにソロの男性と一緒に出発した。

12:24 古矢倉跡

12:42 出店跡

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13:08 下りは登りよりも断然楽だけど、雨で地面が濡れているせいで結構歩きづらい。

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13:32 矢倉観音堂。

ネットで落とした地図ではここからバス停まで30分なのだが、これまで僕はこの地図よりもことごとく時間が掛かっている。時間的にかなりギリギリのラインのように思えてきた。  

西中大谷橋バス停から十津川温泉の昴の郷までショートカット

どうやら途中の道を少し間違えてしまったようで、西中バス停ではなく手前の西中大谷橋バス停に到着してしまったようだ。僕たちと同じ間違いをしてしまったのか、先行していた3人組もこのバス停でバスを待っていた。

待っていたということはバスに間に合ったということだ。

なんとかバスに間に合った。これで十津川温泉の昴の郷までショートカットができる。そして風呂に入ってビールが飲める! 僕と3人組はバスに乗り込んだが、ソロの男性はバスを使わずに歩くことにしたらしい。昴の郷での再会を約束してお先に失礼することとなった。

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14:08 バスの乗客は僕たちだけだったが、次の西中バス停でひとりの男性が乗車して来た。

僕はこの日、温泉に入った後に適当なテント場を探すつもりだったのだが、このおじさんから聞いた話では、十津川ではテント泊が条例で禁止されているらしい。ネットやブログで小辺路縦走の記事を見ても昴の郷周辺でテント泊しているにも関わらず、情報をオープンにしていなかったのはそういう理由だったのかと納得した。

事前にインターネットで調べて、昴の郷のすぐ近くの川沿いあたりに穴場的な感じでテントを張れる場所があるようだということは分かっていたのだが、この日の天気はあまり良くなくて、翌日も多少雨が降る予報であったため、川沿いのテント泊はちょっと怖い気がして迷っていた。テント泊を強行するか民宿を探すか・・・。

答えは決らぬままバスは昴の郷に到着した。  

十津川温泉「昴の郷」で日帰り温泉に入る

ここは宿泊施設でもあり日帰りの温泉施設でもある。

外には野外ライブができそうなステージがあり、その周りには綺麗な芝生が広がっている。バスを降りてこの光景を目にした僕たちは「ここにテントを張って宿泊できれば最高なのになー」と感じていた。

ここは小辺路の最後の峠である果無峠の直前の場所であり、2泊3日で熊野本宮大社を目指す場合は、ここで宿泊するか果無峠の観音堂まで登って小屋に宿泊するかのどちらかになる。

前述した通り、十津川はテント泊が条例で禁止されているようだし、明日の午前中まで天気は期待できなさそうだった。昴の郷の宿泊料は論外だし、これからさらに山を登るのはちょっと無理があるし・・・。

まあとりあえずは温泉に入って体の汚れを落とそう。なにせ僕は2日間風呂に入っていないのだから。  

宿探し

温泉から出てスーパードライの500ml缶を飲み干し、今夜の宿泊について考えることにした。

恐らく昴の郷の近くに秘密のテント場があることは間違いないのだが、天候の心配もあり仮に見つけても色々な危険と隣り合わせの宿泊になってしまいそうだった。昴の郷のロビーの無線LANで周辺の民宿を探すと、わりと近い場所に良さげな宿を見つけたのだが、携帯電話の電波は圏外。

外の駐車場にある公衆電話まで移動して民宿に電話してみたところ、素泊まりであれば対応可能ということだった。すぐさま予約をし部屋を確保してもらった。

これで2泊3日の旅でテントを使うことが無くなったため、テントや寝袋などの荷物をすべてを昴の郷から宅急便で送ってもらうことにした。これで荷物がだいぶ軽くなった! 例の3人組は十津川では宿泊せずに、さらに先の果無峠の観音堂の小屋まで移動するとのことだった。装備を見れば明白だったのだが、この3名は旅慣れたベテランの方々だったようだ。

すごい。  

十津川温泉の民宿松乃屋

今回宿泊することにしたのが昴の郷から少し歩いた先にある松乃屋という民宿。ちょうど宿に向けて出発しようと思ったタイミングで、西中大谷橋バス停で別れた男性が昴の郷に到着した。彼はテントも持たず寝袋オンリーだったため、民宿の空き部屋がまだあることを伝えたところ、宿泊を希望していたため宿の連絡先を教えた。

僕は一足先に宿に向かうことにした。 民宿松乃屋はGoogleMapで見たよりも距離が結構あった。

素泊まり4,000円。部屋は少々狭い畳部屋だったが、ひとりで布団を敷いて寝るには十分な広さだった。プラス400円で翌日の朝におにぎりを用意してくれるというのでお願いした。  

ナポリタン

宿は寝るだけの素泊まりであるため、晩ご飯を何かしら食べる必要があった。僕のリュックの中にはフリーズドライの食品がまだ2食分ある。 ・・・はずだった。

宿の方に事前にお願いしていたお湯が部屋に届いた段階で、リュックからフリーズドライのナポリタンを取り出そうとしたのだが、いくら探しても見つからない。どうやら昴の郷の温泉に入った際に、荷物をごにょごにょしているうちにどこかに落としてしまったようだ。

身も心もすっかりナポリタンを受け入れる準備をしていた僕にとって、ナポリタン紛失は非常に辛い出来事だった。  

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結構疲れた2日目の夜、僕は部屋に用意されたお茶と、近所の自動販売機で買ったビールを飲んだだけで、固形物を食べることはできなかった。無念。あ、ゴミ箱の下のグレーの物体は僕の左足です。

日本シリーズで巨人が日本一を逃すところを見届けたところで布団に入って眠った。(いちおう巨人ファン)

 

続き:秋の熊野古道 小辺路を歩く 3日目

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