登山道具の選び方

【初心者向け】登山用テントの選び方とおすすめのテント

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涸沢・北穂高岳

山登りが趣味になると身近な低山から八ヶ岳や北アルプスなどの標高の高い山にも徐々に興味がわいてくる。そしてそういった時にどうしようか迷ってしまうのが、そろそろ日帰り登山から1泊2日くらいの登山にステップアップしたいけど、山小屋に泊まった方がいいのかテント泊にした方がいいのかという点ではないだろうか。

どうせ今後も登山を続けるのだから1泊当りのコストが高い山小屋泊よりも、初期投資はかかるものの1度買ってしまえばテント場の利用料だけで宿泊ができるテント泊のほうがコストパフォーマンスに優れているのではないか?と考える人もいれば、多少お金はかかってもバックパックの重量は増やしたくないから小屋泊以外は考えられないという方もいるだろう。

今回の記事は前者の方向けに書いたテント泊登山のための山岳テントの入門記事である。

登山が好きでテント泊に興味のある初心者の方は、ぜひ登山用テントにはどのような製品があるのかを知ってもらい、自分に合った登山用テントを選んで欲しい。

登山用のテントについて

裏銀座縦走

登山用のテントはお財布に優しくない。しかしテント場で安全かつ快適にすごすためにはケチってはいけない。

もしあなたが無尽蔵な体力と強靭な足腰を持っているのであれば、Amazonなどで販売している「安かろう重かろう」なテントを担いで山に入ってみるのもいいかもしれない。しかしそのような安物テントは重たいし、耐久性に難がありそうだし、過酷な環境下に置かれる可能性のある山で何度も使用できるとは思えない。

登山用のテントは耐久性に優れているし高山での強風もしっかり受け止めてくれる。大切に使っていればそれなりに長持ちするし、山小屋泊数泊分と考えればそれほど高い投資にはならないはずである。

登山用テントの特徴

  • 悪天候から登山者を守る堅牢性
  • 軽量でコンパクトに収納できる携帯性

日本の高山では稜線上に建っている山小屋が多く、そういった場所に併設されているテント場では時に厳しい天候下に置かれる場合がある。登山用のテントは仮に悪天候下に置かれた場合でも、決められた方法通りにテントを設営すればよほどのことがない限り、風に飛ばされることなく安心してすごすことができるはずである。

キャンプ用テントと登山用テントの違い

キャンプで使うテントは車を停めた駐車場から、テントサイトまで持ち運ぶだけ(オートキャンプ場であれば車のすぐそば)ということもあって重量はさほど問題ではなく、どちらかと言うと快適性のほうが重視される。

したがってキャンプ用テントは重量と質量がかさみ、登山用のバックパックに収容することが難しい。

・・・というわけでここまで書けばわかる通り、キャンプ用テントと登山用テントの違いは細かい枝葉は色々あるかもしれないが、大きく分類すると「重量」「居住性・快適性」のふたつに絞られる。

そして登山用のテントを買う際は、値段に釣られて誤った商品を買わないように気を付ける必要がある。

登山用テントの種類

登山用のテントにはざっくり4種類に分類することができる。

  1. 自立式×シングルウォール
  2. 自立式×ダブルウォール
  3. 非自立式×シングルウォール
  4. 非自立式×ダブルウォール

自立式

自立式のテントは、ペグを打ったりロープを張らなくてもテント本体だけで成立する文字通り「自立」するテントを言う。

一般的な登山用テントはほぼ自立式テントと呼ばれる仕組みになっていてる。ただ、自立式といっても風に飛ばされないように設営後はペグを打って、ロープを引いたりしてテントを地面に固定する必要がある。

非自立式

非自立式は、自立式テントとは対照的にペグやロープを張ることで成立する。軽量なテントによくみられる形式で、自立式テントと比較すると設営に経験やコツが必要になってくる。

ここまでが骨組みの話で以下はフライシートの構造の話。

シングルウォール

シングルウォールとはテントに張る幕(フライシート)が1枚(シングル)のテント。

1枚の壁という意味でシングルウォールと呼ばれている。

シングルウォールテント

このタイプのテントは作りがシンプルなので、設営がしやすく軽いのが特徴。

しかし、幕が1枚しかないためテントの中外に気温差が発生すると、テントの幕が結露して内部を濡らしてしまうデメリットが伴う。寒い日に家の窓ガラスの内側が濡れることがあると思うが、あれと仕組みは同じである。

軽量でシンプルな構造で設営・撤収がしやすいため、結露しやすいというデメリットを受け入れたうえで愛用している登山者も多い。

ダブルウォール

ダブルウォールとはシングルウォールと違い、幕が2枚あるテントを言う。

ダブルウォールテント

ダブルウォールテントは、通気性の高いインナーテントの上にアウターテントを張り、テントの幕を2枚構造にすることで結露によるテント内の濡れを防いでくれる。アウターテントに結露を起こすことで、インナーテントを快適に保つことができる仕組みになっている。

また、テントの出入り口付近にインナーテントとアウターテントのスペースを設けることで「前室」と呼ばれる玄関のような空間を確保することができる。

前室

▲ダブルウォールテントの前室の様子

このように登山用テントは自立式・非自立式・シングルウォール・ダブルウォールと形状や構造にそれぞれ特徴がある。

登山用テントの値段

涸沢・北穂高岳

登山用のテントは結構高い。

ひとり用のテントでも4万円くらいの予算は見積もっておいたほうがいいだろう。高い!と思う方もいるかもしれないが、北アルプスの稜線上の山小屋に宿泊すると食事付きで1万円弱くらいはする。

山小屋泊4回分と思えば出せなくはない支出のはずである。いちど購入してしまえば長く使えるし、もし自宅周辺で災害が起きても持ち運びのきく簡易住居として使うことができる。登山用品は災害時にも役立つのである。

初心者にオススメの山岳テント

登山用テントは登山靴やザックと違い、フィッティングの必要がないため、インターネット通販で購入してもそれほど問題はない。ただ、高額な商品であるため登山用品店でポイントカードの取り扱いがあるのであれば、そちらを利用したほうがお得かもしれない。

たとえば好日山荘では購入価格の10%のポイントを付けてくれる時期などがあるため、急いでテントを購入する必要がなければ、高いポイント還元の時期を狙って購入すればインターネット通販を利用するよりもお得になる。

ショップ店員のアドバイスを聞きながらテントを選ぶことができるというメリットもある。

アライテント エアライズ1

エアライズ1

登山用テントといえばこれ。

超定番のエアライズ1は、自立式のダブルウォールテントで、軽量で設営がしやすく耐風性能もばっちり。唯一難点を挙げるとすれば「みんなが使っているため、テント場で自分のテントを見失ってしまう」ということくらい。

定番すぎて面白味がないという人もいるが、高いお金を払って購入するテントだから、頑丈で長く使えるものを選ぶのがいちばんだ。

写真はインナーテントの状態で、この上にフライシートを被せて使用する。※別売ではなくちゃんとセットになっています

モンベル ステラリッジテント1型

モンベル ステラリッジテント1型

アライテントのエアライズ1よりも少し安く購入できるモンベルのステラリッジ1型は、エアライズ1以上に普及していて、石を投げればステラリッジに当たるといってもいいくらいユーザーが多いテントだ。

テントの形はエアライズ1と同じクロスポール型で、軽量で優れた耐風性能を持っている。

こちらも難点はエアライズ1と同じで、普及しすぎて自分のテントを見失ってしまうこと。

ただ最近はフライシートの色が選べるタイプになり、黄色一辺倒のイメージから脱却しつつある。

涸沢・北穂高岳

上の写真はシルバーウィークの涸沢テント場。黄色いテントのほとんどがモンベルである。

これだけモンベルのテントが多いのは、価格と品質がユーザーに認められている証拠でもある。ただ、テント場で迷子にならないように広いテント場では自分のテントに目印を付けてすぐに見つけられるようにしておきたい。

ちなみに、モンベル製品は「ふるさと納税」を利用することでお得に購入することができる。

うまく利用すればステラリッジテントを格安で購入することが可能だ。

テント
ふるさと納税でモンベル製品を安く買う方法

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僕の持っている登山用テント

僕は登山用のテントを何も考えずにAmazonで注文してしまったため、上で勧めているようなテントを最初は購入しなかった。

MSR HUBBA HP

Untitled

熊野古道の小辺路を歩く際に念のために購入したテントで、Amazonレビューだけを頼りに選択したテントだった。しかし後々調べてみるとMSRは登山用のテントとして実績と人気を兼ね備えたブランドであることがわかり安心した。

軽量で設営がしやすく、使い勝手が非常に良いテントではあるのだが、耐風性能にやや不安が残る。北アルプスなどの稜線上でも普通に使うことはできるが、悪天候が予想される場合は積極利用は避けたいと考えている。

前室が広く快適であるため、樹林帯のテント場などを利用する際にはこちらをチョイスすることが多い。

モンベル ステラリッジテント2型

燕岳登山

南アルプスの北岳に登った時に、北岳肩の小屋のテント場で暴風雨に襲われ、前述したMSRのテントで眠れぬ夜を過ごした経験から、風に強いクロスポールのしっかりした作りのテントを購入することにした。

当初はアライテントのエアライズ1を買うつもりだったが、モンベルのアウトレットで安く販売されているのを発見し、こちらに決めた。

このテントは若干重量はあるものの、室内は広々(もともと2人用なので)しているし、耐風性能も素晴らしい。荷物を極力減らして軽量化したい時はMSRのテントを、テント場についてからの快適さを求める場合はステラリッジをという風に使い分けている。

オニドーム1

唐松岳

おすすめテントのひとつ目に紹介したエアライズ1の販売会社であるアライテント(ライペン)が新たに発売したテントがオニドーム。

登山の書籍に掲載されていた新発売の記事を見て一目惚れし発売開始直後に購入した。軽量で台風性能にも優れ、前室が広く、室内も1人で使用するには十分な広さで非常に素晴らしいテントだと思う。

現在僕がメインで使っているテントがこのオニドーム1だ。

とにかく安いテントが欲しいという方は

・・・とここまで登山用テントについて書いてきたが、最低でも4万円はかかる買い物で躊躇してしまう方もいるかもしれない。そこで、激安テントがないかを探してみたところ、Amazonで7千円ほどで購入できる商品を発見した。

Trackman 1人用 超軽量 キャンプ テント

激安テント

見た目はアライテントのエアライズ1にそっくりで、価格は4分の1以下というなんとなく頼りなさげなテントだが、Amazonのレビューは割と好意的なものが多い。

重量は約1,620gと一人用テントとしては重い部類に入るが、何といっても1万円を切る激安テントであるため、お試しで使ってみるのも良いかもしれない。

Untitled

このテント、どこかで見たことがあるなあと思っていたら、雲取山登山で奥多摩小屋にテント泊した際に同僚が似たようなテントを使っていた。

上の写真の一番左に見切れて写っているテントがそれだ。

この時は夜にそれなりの風が吹いていたが、特に問題なく使用できていたようだった。

ただ、非常に安いテントであるため、強風に見舞われる可能性のある高山のテント場での利用は避けたほうが良いだろう。奥多摩周辺の山や、テント場が樹林帯にあり風の抜けが少ない場所であれば、トラブルに見舞われる可能性は少ないはず。

とりあえずテント泊をしてみたいという人がお試しで買うにはよいかもしれないが、すでに登山を趣味にしていてこれからテント泊を考えている方であれば安物買いの銭失いはせずに、最初から適切な山岳用テントを購入することをおすすめする。

登山用テントまとめ

以上、登山用テントについて書いてみた。

日帰り登山も楽しいが、テント泊登山はもっと楽しい。狭いながらも十分に確保できるプライベートな空間は、山小屋泊とは違った楽しさ・素晴らしさがあると思う。

日帰り登山、山小屋泊登山とは違った山の楽しみ方に興味がある方はぜひテント泊登山に挑戦してみて欲しい。



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