北アルプス 登山

夏の北アルプス常念岳・蝶ヶ岳をテント泊で歩いてきた【1日目:三股登山口から常念小屋】

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蝶ヶ岳といえば穂高の山々を一望できる素晴らしい山と言われているが、僕はこれまで2回ほど訪れていずれも天候に恵まれず満足のいく展望を楽しめていない。

海の日を含めた3連休、僕は3度目の正直に期待することにした。

今回は3日間の休みがあるため、1日は予備日として押さえ、三股登山口を起点に常念岳から蝶ヶ岳へ左回りに歩く計画を立てた。あまりガチガチに予定を固めずに、常念岳と常念小屋の分岐に到着した段階の時間と余力を考慮して、初日の幕営地を決めることにした。

週末に向けて荷物をパッキングし、仕事を終えた金曜日の夜に中央自動車道を走り三股登山口へ向かった。

三股駐車場への道は崩落しており通行止め

三股登山口は蝶ヶ岳と常念岳それぞれにアクセスできる便利な場所で、どちらかの山を単独で目指してもいいし、ぐるりと1周することもできる。登山の計画を柔軟に立てることができることから三股登山口は登山者に人気がある。

しかし今年に入ってから雨の影響なのか、三股駐車場の手前の林道が崩落してしまい、駐車場まで車で行くことができなくなってしまった。現在復旧に向けて準備中らしいが、夏山登山のシーズンには間に合わないだろう。

幸い手前の森の広場駐車場が利用可能であり、林道の崩落も人が歩いて通るスペースが残されているため、少々歩く距離が伸びてしまったものの、三股登山口からの登山は現在も問題なくできるようになっている。

森の広場駐車場に深夜過ぎに到着すると、すでに登山者の車でほぼ埋め尽くされていた。なんとか駐車スペースを見つけ、事なきを得た僕はすぐさま眠りについた。

森の広場駐車場を出発

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翌朝。

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準備を整えて5時前くらいに森の広場駐車場を出発した。

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駐車場を出てすぐの崩落した林道の手前に登山届を受け付けるためのテントが張られていた。僕はネットで事前提出していたので、ここをスルーして先へ進んだ。

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崩落した道路の脇を通り、しばらく歩いていくと三股駐車場に到着した。林道が崩落して車が入れない状態なので当然ながら車は1台も停まっていない。

三股駐車場でトイレを済ませ、さらに先の三股登山口へ向かう。

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しばらく歩くと三股登山口に到着する。普段ならここで登山届を受け付けているが、現在は崩落地点の手前で受付をしているため、人の気配はない。ホワイトボードには熊の目撃情報が記載されていた。

数時間後に「7/2常念岳直下に一頭のクマがいました。」という目撃情報を僕自身の目で確認することになるとは思いもしなかった。

三股登山口を出発

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登山口に入り少し歩くと蝶ヶ岳方面と常念岳方面の分岐にさしかかる。蝶ヶ岳は直進、常念岳は右に進む。今回は常念岳経由で蝶ヶ岳を経て再びここに戻ってくる左回りの周回コースなので、常念岳方面へ進む。

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序盤からなかなかの登りで、息が上がりそうになるが、誰かと競っているわけでもないし、休みは3日間あるから無理をする必要はないとペースを落とした。無理をして休憩してを繰り返すよりも、ペースは遅くても長時間歩けるペースを維持した方が結果的に先へ進むことができる。

ウサギとカメの競争で言うところのカメのほうが登山には向いていると思う。

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カメよりも機動力がありそうなカエル。登山に向いているかは分からない。(登山をしていると樹林帯で時々見かける)

じわじわと歩みを進め、少しずつ標高をあげていく。森林限界を超えてからであれば、足を止めて周囲の展望を楽しむところだが、どこを見ても木と草しかない樹林帯歩きは疲れた時の癒しが少ない。

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こういう面白い植物(ギョウリンソウ)を時々目にすることができる点を除いて。

森林限界を超え岩稜帯に入り厳しい日差しに照らされる

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森林限界を超えるとここまで上げてきた標高の高さを絶景によって知らされる。

通常ならここから先は景色に癒されながら山登りができるはずなのだが、この日は日差しが非常に強く、照り付ける太陽に体力を奪われてしまった。

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途中で持ってきた500mlのペットボトル3本のうち1本を粉ポカリでスポーツドリンク化して飲む用にしたり、持ってきたパワージェルなどを補給するも思うように体が動かない。

そして強い日差しは持ってきた日焼け止めが果たして本当に日焼け止めなのだろうかと疑いたくなるほど上腕を焦がし続ける。

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登っては立ち止まってを繰り返しながら、前常念の手前にある避難小屋にたどり着き、ここでついにバックパックをおろして本格的な休憩を取ることに。もし可能であれば常念小屋に立ち寄らずに山頂に行き、そのまま蝶ヶ岳ヒュッテまで行ってしまおうかというプランも頭の片隅にあったが、この段階でそのプランは不可能であることを悟った。

休憩後も体は重たいまま。

少しずつ歩みを進めて何とか前常念にたどり着いた。ここまで来ると登山道も比較的歩きやすい斜度で周囲の景色を楽しみながら歩けるようになってくる。

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前常念を振り返ってパシャリ。

実はこのあたりから常念小屋に到着してしばらくの間に撮影した写真を自宅PCへの移行中に誤って消去してしまった。前常念から常念岳と常念小屋の分岐に向かう途中ですれ違った登山者に「常念岳山頂直下の斜面に熊がいる」と教えてもらって撮影に成功した熊の写真も一緒に消えてしまった。

登山中に離れた距離ではあったものの熊を目撃したのは初めてだった。

ピークハントは諦めて常念小屋へ

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ようやく常念岳と常念小屋の分岐に到着。

ここから少し登るだけで山頂ではあったものの、すでに体力の限界を迎えていたため常念小屋方面に向かうことにした。どっちみち翌朝に蝶ヶ岳へ向かう際に登るわけだし2回もピークを踏む必要はないだろうという判断。

常念小屋に到着

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分岐からの辛くて長い(この時はそう感じた)下りを歩いて歩いてようやく常念小屋に到着した。

疲れてヘトヘトだったが、まずはテントを張る場所を確保しなければと、小屋に入ってテント泊の受付を済ませた。そして小屋にたどり着いたらすぐに買って飲もうと思っていたコーラが売店になく絶望した。代わりにドデカミンを買って飲んでみたが僕の体は満たせても心は満たすことはできなかった。

常念小屋には山小屋のすぐそばの場所と、少し離れた場所の2ヵ所にテント場が用意されている。利便性を考えると小屋の近くにテントを張りたいところだが、小屋近くのテント場は少しだけ傾斜になっていて下手にテントを張ると睡眠の妨げになりかねない。しかし到着した時間が比較的早く、好きな場所を選べる状況にあったため、小屋近くの場所にテントを張ることに決めた。

テントを設営した後は、テント前に持ってきたチェアゼロという小さいチェアを置いて遠くに見える槍ヶ岳を見ながらぼーっとしていた。昨年くらいから体力が衰えているのか、山小屋に着いても「まずはビール!」という気分にならなくなってしまった。

しばらく休んで少し食欲が出てきたので常念小屋に行って何か食べることにした。

常念小屋の牛丼

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カレーライスも食べたかったが、夜に持ってきたカレーを食べるつもりだったので牛丼を注文してみた。

写真を見ればわかる通り、白米の量に対して具材の量が若干少なく感じたが味はまずまずだった。特筆すべきは味噌汁で、疲弊した登山者のために調節されたと思われる塩分量が体に染みる。

じっくり味わいながら頂いた。

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食後は常念小屋の前に広がる広大なスペースで持ってきたチェアに座って周囲の景色を楽しんだ。

こうしている間にも登山者は続々と訪れ、僕が到着した時にはスペースに余裕があったテント場がカラフルなテントで埋まって行った。

常念小屋のテント場

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常念小屋近くのテント場はすでに満員状態。

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あまりの多さにテントの位置をずらして後から来た人のスペースを確保したりする必要が出ていた。僕も少しずらして空きスペースを提供した。

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写真右側のテント場が小屋から少し離れた場所にあるスペース。離れているといってもこの程度。

ガスったり曇ったりで夕焼けは撮れず・・・

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常念岳周辺は雲とガスの通り道だったようで、到着から時間が経つにつれその動きが活発になっていった。

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展望が完全に遮られたかと思えば再び槍ヶ岳方面までくっきり見えたりと空の動きがせわしなかった。

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このまま槍の稜線が綺麗に晴れて沈みゆく夕日を拝めるかと思ったが、厚く動きのにぶい雲が無数に重なって写真撮影はここまで。

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あまり食欲のなかった僕は持ってきた白米とカレーは食べずに豚汁を温めて食べたのみ。

例によって湯を沸かすだけで食べられるものしか持ってきていないため、今回は軽量化を兼ねてアルコールストーブとトランギアミニを持ってきた。風が強くなければこれで十分だな。

夕食を済ませたところで早めにシュラフに潜り込んだ。

常念小屋の夜

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テント泊登山では熟睡できない僕。眠りが浅く断続的に目が覚めてしまう。

夕方は残念な空だったけど、夜はどうだろうとテントから顔を出してみると空にあった雲はどこかに消えてしまっていた。空には美しい星空が広がっていたが、それをうまく写真に収めることができないのはいつものこと。

睡眠の合間に夜空を撮ろうという気がそもそもないのだが。

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安曇野の町の灯り。

朝は安曇野川から太陽が昇ってくる。

この天気ならご来光はばっちり拝めるはず!

そう思ってシュラフに戻りふたたび眠りについた。

 



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