北アルプス 登山

台風襲来!北アルプス縦走登山3~4日目「台風一過とやまない雨」

投稿日:

台風一過の三俣山荘

前回の続き。

台風
台風襲来!北アルプス縦走登山1日目「折立から薬師岳へ」

画像:台風情報 - Yahoo!天気・災害 少し遅めにとった僕の夏休みを狙い撃ちするかのようにやってきた台風19号と20号。 この時期を逃すと次に取れる長期休暇が秋以降になってしまうため、台風が通過す ...

続きを見る

台風襲来!北アルプス縦走登山2日目「薬師峠キャンプ場から雲ノ平を経て三俣山荘へ」

先日からの続き。 8月23日。 この日は午後から夜にかけて台風20号が本州を通過する予報となっており、少なくとも昼過ぎくらいには目的地へ到着しておきたいところ。 もし朝から天気が大荒れだったら昨日来た ...

続きを見る

標高2550mでの台風

8月24日。

日付が変わった深夜に目が覚めた。眠っている間に台風が通り過ぎて目が覚めたら素晴らしい朝が待っていた・・・みたいな展開を期待していたのだが、うっかり目を覚ましてしまった。

山小屋の外は想像を絶するほどの暴風雨になっていて、眠る前の状態とはまったく異なる天気に発展していた。小屋に吹き付ける風雨の音は凄まじく、テント泊をやめて小屋に宿泊しておいて本当に良かったと思えるレベルだった。

あまりの迫力と恐ろしさにすっかり目が覚めてしまった僕は、その後なかなか眠ることができなくなってしまった。

何度も寝ては起きてを繰り返し、ようやく朝が近づいてきたところでトイレに起きたところ、ロビーにはテント場から避難してきた登山者2名がそれぞれシュラフに入って眠っていた。

確かにこの状態でテント泊するのは無謀だ。

朝5時の朝食

三俣山荘の朝食

恐ろしく、長い夜が終わり、朝が来た。

三俣山荘の展望食堂で朝食を頂いた。

外の天気は相変わらず荒れ模様で、回復する気配はなかった。朝食を食べている間も強風が小屋を揺らしていた。この天気では出発することが難しいと考えて、食後は布団に戻って少し眠ることにした。

午前8時過ぎ

布団に戻って仮眠をとってロビーに戻ってみたが天気は相変わらず。

壁掛けされたテレビに流れる天気予報は標高の低い平地のものだからなのか、表示されているマークと山小屋の外の天気はまったく異なるものだった。

そしてこの日の朝は結構冷えた。まだ8月下旬だというのになかなかの冷え込み。

三俣山荘のストーブ

ロビーに設置してあるストーブの前で本を読んだり、スマートフォンアプリの登山地図で今後の計画を考えてみたり・・・山に来て山小屋で停滞するのは初めてで、ゆったりと流れる時間に自分の気持ちを合わせるのに少々苦労した。

展望食堂でサイフォンコーヒーを飲む

三俣山荘の展望食堂

朝食の片付けが終わり、展望食堂の喫茶メニューが始まったので名物のサイフォンコーヒーを注文した。

三俣山荘のサイフォンコーヒー

雪解け水から作られた三俣山荘のサイフォンコーヒー。

寒さも相まって暖かさが体に染み渡る美味さだった。

昼の12時過ぎに意を決して出発!

台風一過の三俣山荘

昼前になっても天気は回復しなかった。朝ほどではないにせよ雨と風は相変わらず。

ロビーのテレビから流れる天気予報を見る限りは台風はすでに通過していているはずなのだが、台風一過の快晴にはならずご覧のあり様・・・。

そんな天気にしびれを切らして、身支度して出発する人たちがちらほらと出てきた。僕もどうせこのまま天気が回復しないなら、翌日のために少しでも先へ進んでおこうと思い、双六小屋へ向けて出発することに決めた。

バックパックに雨用のカバーを付けて、レインウエアを着こんで三俣山荘を出発した。三俣山荘のテント場を通り、三俣蓮華岳方面へ登り、途中の分岐で双六小屋への巻道を進む。

雨足は強くなったり弱くなったりの繰り返しで、谷側からの強風による雨の吹き付けが結構辛かった。

そして巻道から双六岳中道分岐に出たところで風がさらに強くなった。山での強風はこれまで何度も経験してきたが、直立できないレベルの暴風雨は初めてだった。この分岐から双六小屋までは10分ほど下るだけの簡単な道ではあるものの、分岐点からしばらくの間は風を遮るものが無いため、強風に体を持っていかれないように慎重に先を急いだ。

双六小屋に到着

風雨にさらされながら双六小屋に到着した。

小屋に向かって下っていく途中で双六小屋のテント場が見えたけど、幕営している登山者は一人もいなかった。そりゃあそうだ・・・。

前日の天気予報では昼過ぎくらいには天気が回復する、なんて情報もあったようだが外の天気は三俣山荘を出発した時よりも酷くなっていた。山小屋に連泊するのはお財布に優しくないため、少しでも天気が改善すればテント泊しようと思っていたけど到着した時点ですでに諦めていた。

受付で素泊まりの申し込みをして2日連続の山小屋泊となった。

双六小屋

荷物を案内された部屋の外の廊下に置き、濡れた衣類を乾燥室にかけて、食堂に移動して腹ごしらえ。

双六小屋のカレーライス

カレーライスはいつ食べても美味い!

食後は談話室でひたすら漫画を読む

時刻はまだ14時・・・。

普段の登山だったらテント場で外の景色を眺めながらのんびりビールを飲んだりしている時刻だが、今回はそういう楽しみは台風によって吹き飛ばされてしまった。

双六小屋の談話室

仕方がないので談話室でビールを飲みながらひたすら漫画を読むことにした。

双六小屋の談話室の図書コーナー

まずは孤高の人を全巻読破。

そして昔の登山雑誌を見て時代の変化を楽しむという暇つぶし・・・。

アークテリクス

オシャンティーな街着として登山をやらない人たちにも大人気のアークテリクスだけど、昔はこんな感じだったんだね。

双六小屋で携帯電話の電波は入るのか?

受付で宿泊の申し込みをした際にスタッフの方に確認したところ「小屋の談話室にドコモの電波増幅器があるが不安定」と教えてくれた。確かに談話室にはNTTドコモの電波増幅器が設置してあり、スマートフォンの3Gが入りそうで入らないという状態が延々と続いていた。

3Gの電波が入る→ネットに繋ごうとする→圏外になる

・・・この繰り返しだった。

偶然電波が入ってネットに繋がる瞬間もあるにはあったが、継続して使える状況ではなかった。もし晴れた穏やかな日であれば電波状況も違っていたのかもしれない。

19時に就寝

談話室で五目ラーメンを食べ、19時前くらいになったところで部屋に戻った。

いいかげん天気も回復するだろうと思っていたが状況は何も変わらなかった。小屋の外は前日と同様かもしくはそれ以上の風雨になっていて、回復の兆しはまったくなかった。

天気が改善すれば槍ヶ岳を経由して新穂高温泉か上高地に下山しようと考えていたが、明日以降も天気の回復が見込めそうになかったため、そのまま新穂高温泉に下山することに決めた。

朝6時に双六小屋を出発

翌朝も天気は変わらず雨。

風は昨夜ほどではないものの、雨量はそれなりにある。

小屋の受付に掲載されている天気予報は雨。翌日も微妙・・・。

「やはり下山だな・・・」

小屋の受付でホットコーヒーを注文し、雲ノ平山荘で買ったパンを食べた。

そして6時に双六小屋を出発した。

乾燥室でパリッと乾いたレインウエアを着て双六小屋を出発。綺麗に乾いていたレインウエアはあっという間にびしょ濡れになった。もうどうでもいい、早く下山して温泉に入ろう・・・そんなことを考えながらひたすら歩いた。

登山道が沢に・・・

台風の直撃と連日の雨によって双六小屋から新穂高温泉へ向かう登山道の至る所に水が流れて沢のようになっていた。普通に歩ける道はほとんどなくどこも水浸し状態だった。

9時前にようやく林道に辿り着きひと安心。

少し歩いた先にある、わさび平小屋でコーラを買って休憩した。

ここで休憩していたこれから双六小屋へ登ろうとしていたお爺さんと少し話をしたところ、新穂高から槍ヶ岳へ向かうコースが増水のため通行止めになっていたとか・・・。三俣山荘に到着した日にはスタート地点の折立登山口へ向かう林道が倒木のため通行止めになっていたようだし、いたるところで台風の影響が出ているようだった。

新穂高温泉に到着!

午前10時過ぎに新穂高温泉に到着した。

雨は双六小屋を出た時と比べれば大したことはなかった。

今回は帰りのバスを予約していないため、路線バスで松本駅まで移動し、そこから電車で自宅まで帰る。バスの時刻表を見るとまだ時間に余裕があったので、いつもの中崎山荘 奥飛騨の湯に立ち寄って旅の汚れを落とすことに。

新穂高温泉の牛串焼き

温泉に入ったあとはバス停の前の飛騨牛串焼きの売り場のベンチで、牛串焼きとスーパードライを頂く。

松本駅からスーパーあずさで新宿へ

時刻になり新穂高温泉からバスで松本駅へ向かった。

バスが走るにつれて空はどんどん晴れて、駅に到着する頃にはすっかり夏の陽気に。電車の発車時刻まで結構時間があったので、ホームのベンチでレインウエアやザックカバーを干した。

スーパーあずさ

松本駅からはスーパーあずさに乗って新宿へ。

駅弁とビールを頂きながらゆったりとした時間をすごすことができた。

新宿からは湘南新宿ラインに乗り換えて自宅の横浜へ・・・。

まとめ

今回は台風が通過することをふまえた計画を立てたものの、狙っていた台風一過の快晴は見事に外れ、天候が回復しないまま失意の下山となってしまった。

ただ、初めて山小屋に宿泊してテント泊にはない良さを知ることができたし、スタッフの皆さんの素晴らしいホスピタリティに触れることができた。最終日の下山中にも山に関わる方々の登山者が安全に山を歩けるように配慮されている姿を見て胸が熱くなった。

天気には恵まれなかったけれど、逆にそのおかげで山小屋の存在意義や有難みを実感することができた思い出に残る旅になった。



-北アルプス 登山

Copyright© 1192ch , 2018 All Rights Reserved Powered by AFFINGER4.