日本一の標高(3,776.12m)を誇る単独峰の活火山。
富士山の存在は知っていたけれど、今まで登ってみようなんて考えたこともなかった。
そんな僕が登ることになったのは富士山が世界文化遺産に登録された2013年に同僚から登らないかと誘われたから。
1回目の富士登山
登山自体初めてだった僕は、職場の近くのスポーツ用品店で最低限の道具を購入した。
そして9月8日の深夜に車で富士吉田に向かった。色々あって少し遅れてしまったが無事に富士吉田の5合目に到着。
しかし外は大雨・・・。
深夜に出発してわざわざ富士山の5合目まで来たので、このまま引き下がるのも勿体ない。とりあえず行ける所まで行ってみようということで、雨具を装備して駐車場を出発した。
出発する前は「雲より高い所にいけば雨も止むだろう」なんて冗談交じりに話していたが、登っても登っても雨は止まず、雨足が強くなり風も出てきた。どんどん悪くなっていく天気に加えて歩きなれない岩場の連続・・・。
このまま頂上まで登るのは難しいという結論に至り、止む無く引き返すことにした。
ちなみにバックパックに被さっているのはゴミ袋。
雨用のカバーを持ってきたはずが、出発の段階でどこを探しても見つからず、車の中にあったゴミ袋を被せたオリジナルザックカバー(違う)。
来た道をとぼとぼと歩いていると、だんだん天気が良くなってきた。
なぜか篠原ともえがいた。
何の撮影だろう?
5合目まで降りてくると雨はすっかり止んでいた。
早朝から雨風に打たれ、ずぶ濡れになった僕たちの立場は・・・。
吉田口にはこれから登ろうとしている登山者で溢れかえっていた。
しかし富士山の山頂はボリューミーな笠雲に覆われていた。
「構わん。前進だ!」と言っているように見える銅像。
下山した僕たちは「次こそは!」という思いを胸に秘め、ほうとうを食べて家路についた。
2回目は台風で中止
9月22日は予定していたメンバーで富士登山に挑む予定だったのだが、台風18号による暴風雨が予想されたため断念。
延期も考えたが富士山は既に閉山しているし、山小屋もこれから徐々に閉まっていくため、予定していた富士登山はいったんお流れとなった。
3回目「やっぱり登ることにした」
予定していたメンバーでの登山は来シーズンということになったのだが、どうしても諦めきれない僕と同僚は9月22日に再度富士山に挑むことにした。
深夜に横浜を出発し、富士吉田の5合目まで車で移動。
駐車場で身支度を整えてまずはご来光を見に展望台へ。
朝日を見たあとはいよいよ出発。
吉田ルートを歩いて富士山の山頂へ
吉田ルートの序盤は単調な坂道を折り返しながら登って行く。
天気も良く足取りは軽い。
僕たちが登った9月中旬は殆どの山小屋が閉まっていた。
山小屋と山小屋の間は結構傾斜のある岩場になっていて、慎重に足場を選びながら進む必要が出てくる。標高もだいぶ高くなってきていることもあって、岩場を登るのも一苦労だだった。
ペースダウン
7~8合目あたりから僕たちは急激にペースダウンした。
疲労困憊の僕たちを余裕で追い抜いて行く、小さな子供や女性や老人たちは、いったい僕たちと何が違うのだろう。人と比べて焦っても無駄に体力を消耗するだけだから、張り合う必要はないのだが、圧倒的な差を見せられるとなんだか悔しい。
トモエ館で休憩
ちょっと歩いては休憩の繰り返し。
営業中の最後の山小屋トモエ館に到着。
ここが最後のトイレ。
山小屋の店内には色々なものが売られていたが、どれも高くて買う気にならなかった。いくら疲れていて腹が減っていても、どん兵衛に600円払うのはちょっと・・・。
8合目までくると完全に雲の上。
小屋の外のベンチでしばらく休憩しながら非日常的な景色を堪能した。
ラストスパート
山頂まであと一息。
トモエ館から先はこれまでのような険しい岩場はそれほど無いが、空気が薄くなってきているからなのか、少し歩いただけで頭がクラクラして息切れしてしまう。
歩いては立ち止まり・・・休憩を繰り返しながら頂上を目指した。
富士山の山頂に到着!
最後の力を振り絞ってようやく富士山の山頂に到着した。
山頂からさらに歩いたところに剣ヶ峰という最高地点があること、お鉢巡りなる火口をぐるりと1周するコースがあることを下山してから知る。(なんか向こうにも人がいるなあ・・・くらいにしか思っていなかった)
これはまた登る必要がありそうだなと思いつつも、山頂まで歩いた苦労を思い出すと心が揺らぐ。まあリベンジはいつかそのうち・・・。
山頂でカップラーメンを食べる
連れの同僚がもってきたコンロでお湯を沸かしてもらい、コンビニで買ってきたカップラーメンを食べた。
食べ物に限ったことではないけれど、人の感覚というものは環境に応じて大きく変化する。富士山の頂上で食べようが、自宅で食べようが、カップラーメンはカップラーメンであり、味は同じはずなのにこの美味さはなんだろう?
晴れ渡る雲上の絶景を眺めながら日清のカップラーメンを完食した。
地獄の下山
登頂した喜びもつかの間。
登りがあるということは下りがある。
車を停めている駐車場まで帰らなければならない。
吉田ルートの下山用の道は砂走りという砂と砂利で構成された坂道をひたすら下る。比較的傾斜が抑えられていることもあり、登ってきたときよりも歩く距離が長い。
そして非常に歩きづらい。
うっかりしていると滑って転びそうになってしまうし(実際2回くらい転んだ)、登山靴に砂利や砂が侵入してくる。
もしまた登る機会があれば、靴に被せるスパッツを用意しておく必要があるなと思った。
赤く染まった高速道路
歩きづらい道を延々と歩き、下山した頃にはすっかり日が暮れていた。
満車状態だった5合目の駐車場はがらんとしていた。くたくたに疲れてしまったが、ここから横浜まで帰らなければならない。
19時前くらいに富士吉田を出発。
富士吉田を出発した僕たちを待ち受けていたのは、中央道・東名道の超絶ダブル渋滞。高速道路の上り車線は車のテールランプで真っ赤に染まっていた。
まったく進まない高速道路、どんどん伸びるナビの目的地到着時刻に業を煮やして下道に行くも、こちらもなかなかハードな渋滞・・・。
僕の自宅に着く頃には日付が変わっていた。
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