2013年の9月に富士山に登り、登山に目覚めた僕はその年に3シーズン対応可能な装備を概ね揃え、幾つかの山に登ったあと11月下旬に雲取山でテント泊デビューを果たした。
そして登山2年目のこの夏、満を持して北アルプスに挑戦する。
目的地は燕岳。
夜のドライブ
金曜日の夜に仕事を終えた僕は、あらかじめ準備しておいたバックパックを車に積み込み自宅の横浜を出発した。
保土ヶ谷バイパス→東名高速→圏央道→中央道と乗り継いで車を走らせた。
これまで横浜から中央道に行くには都内経由で行くか保土ヶ谷バイパス・八王子経由で行くしか方法がなかったが、圏央道の相模原相川IC〜高尾山ICが開通し、中央道へアクセスしやすくなった。
そんなわけで中央道までの道のりは快適そのもの。
雷雨の中央自動車道
ところが中央道に入ったところで雨が降り出し、雷が上空で激しく光りだし雷雨に変わった。激しい雷雨のせいで高速道路が50キロに速度制限されたことで想定していたよりも移動に時間を要してしまった。
長野県に入ると雨は止んだが、徐々に道幅が狭くなり街灯もなくなり周囲は真っ暗。山肌を縫うように走らなければならず、非常に緊張感のある運転を強いられることになった。
安曇野市営 駐車場に到着
燕岳の登山口は中房温泉という施設の脇にあり、周辺にある無料駐車場はハイシーズンは非常に混み合う。
無料駐車場に着いたのが23時過ぎ。
すでに第一駐車場は満車ですぐそばの第二駐車場になんとか駐車することができた。道中の雷雨と速度規制がなければもう少し早く到着できたかもしれない。
ちなみにこの駐車場に車を停めるのは2回目。
初めての燕岳登山なのになぜ?
実は前の週に燕岳に登ろうと駐車場に車を停めて車中泊したものの、翌日出発する段階になって登山靴を忘れてきたことに気が付いて登らずに引き返したから・・・。
空は満天の星空。
明日の晴天を祈りながら運転席で眠りに着いた。
中房温泉から登山スタート
まだ空は薄暗かったが駐車場周辺は登山の準備を整える人たちのヘッドライトの明かりがあちらこちらで光っていた。
僕もそろそろ行動を開始しなければと思い、忘れ物がないかを入念にチェックして登山口に向かった。
04:50
中房温泉の登山口を出発。
序盤からなかなかの急登で息が切れるが無理は禁物。
第一ベンチ
05:17
最初のチェックポイントの第一ベンチに到着したが、まだまだ歩けそうな気がしたので休憩せず先へ進んだ。
登山道はだいたい1時間おきくらいにこのような休憩ポイントが設けられていて、そろそろ休憩したいな・・・と思う丁度良いタイミングで休めるようになっている。
第二ベンチ
5:39
約1時間くらい歩いたのでここで休憩。
「後半で差をつけろ!」と書かれたアミノバイタルを飲んだ。
この手のエネルギー補給系のゼリー飲料は、実際に効果があるのかよく分からないが飲むと元気になった気がするので結構気に入っている。
しばし休憩したのちに出発。
その後の第三ベンチと富士見ベンチはアミノバイタル効果?で休まずに歩けそうだったので休憩せずに通過した。
合戦小屋
7:37
合戦小屋で2度目の休憩。
合戦小屋では名物のスイカが販売中。
1カット800円もするスイカが次から次へと売れていた。
ラストスパート
合戦小屋を出発して登っていくと徐々に見晴らしが良くなってきた。
遠くに見える富士山の山頂に「ボンッ」と噴火したような雲が見えた。
さらにどんどん歩くと遠くに槍ヶ岳が見えた。
いつか登りたい憧れの頂。
燕山荘と燕岳が見えてきた!
しかし見えてからが長い・・・。
最後の力を振り絞りラストスパートをかける。
燕山荘に到着
8:46
後半はペースが少し落ちてしまったが無事に燕山荘にたどり着いた。
休憩時間込みで約4時間。
燕山荘のテント場
さっそくテント場の手続きを済ませ設営。
最初はこんな感じのテント場が・・・。
あっという間にこんな感じに。
週末ということもありテント場がこのような状態になった後も多くの登山者たちが続々と登って来た。
写真に写っているテント場の一番奥の向こう側にも下り坂になった設営場所があって、そちらにもテントを張る事が出来るようになっている。ただトイレが近くにあって設営場所によっては臭いが気になりそう。
水とビールを購入
水とビールを購入。
水は1リットル200円。
ビールは購入後すぐに体内に消えた。
燕岳山頂へ
テントを設営して燃料補給を済ませた僕は、重たい荷物をテントの中に置いて燕岳の山頂へ向かうことにした。
山頂へはそれほど時間がかからないため、必要最低限の荷物だけ持ってお散歩気分で登ることができる。
荷物はほとんど無いような軽装備で楽々山頂まで向かうことができると思っていたのだが、なんだか体の様子がおかしい。
高所にいるからなのか、ビールを飲んですぐに動き出したからなのか分からないが、少し歩いただけで息が切れてしまう。
体に負担がかからないようにゆっくり歩いて山頂へ向かった。
急に燕岳周辺が曇りだす
到着直後はこんな感じで晴れていたのだが・・・。
テント場を出発した途端にガスってきた。
燕岳の特徴でもある花崗岩のグレーの岩とガスが相成って黄泉の国感が出てきた。
高山植物の女王「コマクサ」の群生地
登山道の脇に高山植物のコマクサが群生していた。
コマクサは高山植物の女王と呼ばれているらしい。
ピンク色の小さな可愛らしい花で、こんな感じで山の斜面のそこらじゅうに咲いている。
燕岳登頂!
燕岳に登頂!
記念すべき北アルプスの1座目。
テント場から30分くらいで山頂に到着したがやはり展望はイマイチ・・・。
山頂でしばらく待ってみたが晴れる気配がなかったのでテント場に戻ることにした。
メガネ岩
いまは岩の状態が悪く登れないようだった。
イルカ岩
燕岳からテント場に戻る途中に存在に気付いた。
本当にイルカのような造形をした岩だった。
燕山荘に戻りテント内で休憩
燕岳から戻る途中で撮影した燕山荘。
だいぶガスってきている。
テントに戻り一息。
天気は一向に回復の兆しを見せないし暇だし・・・とテントの中でふて寝していたら、外からライチョウだ!ライチョウだ!と誰かが話す声が聞こえてきた。
ライチョウの親子がやってきた
テントから外を覗いてみると、テント場のすぐそばの草むらにライチョウの親子が遊びに来ていた。
カメラを持ってテントを飛び出して写真を撮った。
人を怖がらないとは聞いていたが、こんなに近くまで子連れで現れるとは!
ライチョウのヒナ。
もう結構大きく育ってきているけど、まだピヨピヨ鳴いててカワイイ!
一家でテント場周辺をしばらくお散歩したあとは草むらの中に帰っていった。
テント場でのひととき
ライチョウの家族が去った後はテントでウインナーを焼いて食べたりビールを飲んだりとまったりすごした。
突然の大雨
14時過ぎくらいから天気が徐々に悪くなり、14時30分に突然の大雨。
突然の雨に慌てて前室に置いていたものをテントに入れようとしたところ、テントの中に置いてあった缶ビールを倒してしまって大惨事。
就寝
その後も雨は振ったり止んだりを繰り返し天気は回復しなかった。
夕方になったところでアルファ米にレトルトカレーをかけた晩ご飯を食べ、テントの中でゴロゴロしつつ眠気がやってくるのを待った。
満天の星空
22時。
燕山荘から「わー凄い!」「やばーい!」みたいな声が聞こえて目を覚ます。
何がヤバいのか・・・とテントから外を覗いてみると雲ひとつない満天の星空が広がっていた。
この美しい星空をなんとかして記録したいと思ったが、星空の撮影方法を心得ていなかった僕はブログに掲載できるような写真を撮影することができなかった。
しばらく夜空を堪能したのちにシェラフに入って再び眠った。
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