登山を始めてから夏休みをあまり有効活用できてこなかった。
今回は満を持して4泊5日の裏銀座縦走に挑戦した。
これまでの登山は2泊3日の八ヶ岳が最長で、4泊5日は未知の領域。果たして無事に予定のルートを歩き切ることができるのか?
夜行バス(毎日あるぺん号)で七倉山荘へ
夏休みが始まる前日の夜。
仕事を切り上げて一旦帰宅し、用意しておいたバックパックを背負って夜行バス出発地点の竹橋まで電車で移動した。
電車には仕事を終えた帰宅途中のサラリーマンたちで溢れかえっていて、大きな荷物を持って「これから登山に行きます」みたいな人は僕くらいだった。
しかし竹橋を降りて毎日新聞ビルのエントランスに入ると・・・。
ここは毎日あるぺん号という夜行バスの出発地点。
平日の木曜日だというのに大勢の登山者がそれぞれ様々な場所へ向けて出発の準備を整えていた。
受付を済ませバスに乗り込み出発。
七倉山荘
翌朝の4時に裏銀座縦走のスタート地点である七倉山荘に到着。
ここでは僕を含めて13名ほどが下車した。白馬・七倉方面行きのバスが3号車まであって13名の下車だから、殆どの人が白馬方面へ向かったことになる。
七倉山荘の近くには公衆トイレがあり、山荘には自動販売機があるので、出発前にトイレを済ませて飲み物を購入することができる。
七倉ダムから登山口のある高瀬ダムへは歩いていくかタクシーで行くかのどちらかになる。この時間のトンネルは電気が消えていて真っ暗・・・。
ヘッドライトをつけて徒歩でトンネルを抜け、登山口まで行く人もいるらしいが、ちょっと一人で行くのは怖い。
暗闇のトンネルに消えていった人が数名いたが後に続こうという気にはなれなかった。
歩いて登山口に向かっても、5時半から走るタクシーを利用した場合も、登山口にたどり着くのは6時くらいになるとのことだったので迷わずにタクシーを選んだ。
七倉ダムから高瀬ダムのタクシー料金は2,200円。
他の登山者と相乗りしたので1人550円で済んだ。
高瀬ダムから少し歩いて裏銀座への登山口へ。
北アルプス三大急登のブナ立尾根
裏銀座縦走は、北アルプス三大急登と呼ばれるブナ立尾根から始まる。
樹林帯の急登をひたすら登り続けて高度を上げていくという難所。燕岳の合戦尾根も三大急登に含まれているが、あちらは適所にベンチが設けられているので、休憩しながら歩くことができる。
ブナ立尾根にはそのような気の利いたものはない。
写真のように所々で番号が表記してあってカウントダウン方式で山小屋までの到達状況を知らせてくれる。
11番くらいから始まってゴールの烏帽子小屋が0番という具合。
木に登っているカエルを発見。
どこから登ってきたんだろう?
3時間ちょっと登り続けてようやく・・・
烏帽子小屋
烏帽子小屋に到着した。
地図のコースタイムよりだいぶ早く到着することができた。
時間はまだ朝の9時過ぎ。
まだまだ先へ進みたい時刻だが、裏銀座をテント泊で歩こうと思うと、ここからテント場のある三俣山荘までの行程が難しい。
烏帽子小屋から三俣山荘の間には有人小屋の野口五郎小屋と水晶小屋が営業中だが、どちらもテント場がない。したがってテント泊にこだわる場合は三俣山荘まで歩かなければならない。
しかし今から三俣山荘まで移動するのは難しい。
野口五郎小屋か水晶小屋に小屋泊するのも選択肢としてはあるにはあったが、テント泊で歩きたかった僕は、1日目は烏帽子小屋のテント場で1泊し、翌日の早朝に出発して三俣山荘に向かうことにした。
烏帽子岳へ
烏帽子小屋のテント場にテントを設営し、不要なものをテントに入れて烏帽子岳に向けて出発した。
烏帽子岳への登山道は燕岳を思わせる雰囲気。
周囲にはコマクサが群生していて足元も華やかで楽しい。
烏帽子岳の山頂に到着。
山頂はゆっくり休憩できるスペースがないので、登頂後すぐにテント場に戻った。
烏帽子小屋の夕方
テント内で早めの夕食を食べ、しばし休憩したのち、日の入りを見るために烏帽子小屋前のベンチでぼんやりと景色を眺める。
小屋の前にはイワギキョウのお花畑が広がっていて、所々にコマクサも生えている。
初めて見る白いコマクサ。
ピンと背筋の通ったコマクサ。
夕日に照らされたイワギキョウ。
そして日の入り。
この日はたいした行動時間ではなかったものの、初めての夜行バスによる睡眠不足とブナ立尾根の急登などの影響でぐったりしていた。
日の入りを見た後はテントに戻って眠った。
夜は思っていたよりも寒く、ペラペラのシュラフ単体では耐えられなかった。持ってきた防寒具をすべて着込んでようやく安眠できる暖かさになった。
テント場の夜
23時ごろに目が覚めた。
テントの外がやけに明るくて誰かがライトでも照らしているのだろうか?と思い外に出てみると満月が光り輝いていた。
どうやらこの日は満月の夜だったらしい。
山での月がこれほど眩しいものだとは思いもよらなかった。
せっかくなのでテントの中からカメラで数枚撮影し、再びシュラフに潜り込み朝までぐっすり眠った。
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