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初めての長期縦走登山は北アルプスの裏銀座。
1日目は北アルプス三大急登のブナ立尾根を登り、烏帽子小屋でテント泊。2日目の今日は黒部の山賊の舞台になった三俣山荘のテント場を目指す。
早朝の縦走路をゆく
朝の4時前くらいに起床し、テントの撤収作業に取り掛かった。
テントのフライシートは表も裏も結露でびっしょり濡れていたが、乾くのを待って出発する時間的余裕はないので、水滴を適当に払って濡れたままの状態で片付けた。
準備を整えて5時に出発。
この日は野口五郎岳・水晶岳・鷲羽岳と3つのピークを踏んだのちに、三俣山荘でテント泊予定。
昨日の疲れが結構残っていて体が若干重たく感じるものの、初日のような急登はないはず。
気圧のせいでパンパンに膨らんだバナナバウムの封を開けて歩きながらの朝食。
無印良品のバナナバウムは僕の好物。
今回の登山のために2本持ってきたが、1本は初日の朝に食べてしまったのでこれが最後のバナナバウム。5本くらい持ってくるべきだった。
気持ちの良い朝の稜線歩き
初日は急登を延々と登る1日になってしまったが2日目は多少のアップダウンはあるものの、ご覧のような稜線歩きがメイン。
すれ違う登山者も殆どいない。
こんなに気持ちの良い朝があっていいのだろうか。
野口五郎小屋で休憩
野口五郎小屋に到着。
小屋で購入したペプシコーラを一気に飲み干し、トイレを済ませて出発。
ここにテント場があれば最高なんだけど・・・と思う登山者は多いはずだが、そうなっていないのには何か理由があるのだろう。
野口五郎小屋からは大きな石がゴロゴロした道を登っていく。
野口五郎岳から水晶小屋へ
野口五郎岳(2924m)の山頂に到着。
登山をしない人がこの山の名前を聞いたら、野口五郎岳の「野口五郎」ってあの野口五郎?と思うかもしれない。インターネットで検索して見たところWikipediaに芸能人のほうの野口五郎の芸名の由来が記載されていた。
芸名は飛騨山脈の野口五郎岳に由来し、名付け親はポリドール・レコードのアシスタントディレクターといわれている。現在では、山の名前が歌手にちなんで付けられたと誤解している人さえいる。なお、黒部五郎岳にちなんだ「黒部五郎」も芸名の候補となっていた。
野口五郎とどちらかを選ぶように言われ「山の名前を芸名にするなら高い山のほうがいい」と考えて、黒部五郎岳 (2840m) よりも高い野口五郎岳 (2924m) にちなんだ野口五郎を選んだという。
参考:Wikipedia
ちなみに野口五郎岳の「五郎」とは大きな石が転がっている場所を表す「ゴーロ」の当て字とのこと。
野口五郎岳の山頂からの素晴らしい展望を楽しんだあとは、次の目的地である水晶小屋に向かう。
野口五郎岳を超えたあたりから、徐々に気温が上昇し、照りつける太陽が僕の体力を徐々に奪っていく。そして野口五郎岳までせっかく登ってきたのに山頂から一旦下る・・・。
肩に食い込むザックのショルダーベルトが辛い・・・。
水晶小屋が見えてきた。
え・・・まだ結構ある・・・っていうかここを登るのか・・・。
思わず声に出してしまう。
小屋に着けば冷たい飲み物が飲める!と自分に言い聞かせながら1歩1歩足を進めていく。
水晶小屋から鷲羽岳へ
10:40
水晶小屋に到着。
三ツ矢サイダーを購入して一気に飲んだ。
当初の予定では小屋に荷物を置いて水晶岳に登るはずが、ここまでの行程で体力をかなり消耗してしまったので今回は登頂を諦めた。
体を休めて鷲羽岳の山頂に向かう。
写真の中央のふたつの山の左側が鷲羽岳。右側はワリモ岳。
鷲羽岳に登るにはワリモ岳の直下にある分岐まで歩き、そこからワリモ岳に登り、そして下り、そこから登り返さなければならない。
分岐からワリモ岳を経て鷲羽岳へ
今日宿泊予定の三俣山荘に行くには、鷲羽岳を経由しなくても黒部源流沿いを歩く多少楽なルートもあるにはある。しかし体力を温存するために水晶岳に登らずにここまで来ておいて、鷲羽岳にも登らないのは勿体ない。
意を決して鷲羽岳に向かう。
まずはワリモ岳に登る。
今日最後の登り
ワリモ岳を越えた先に本日最後のピーク、鷲羽岳の山頂が見えてきた。
鷲羽岳に登りさえすればあとは下るだけ。
気合を入れ直して最後のひと頑張り。
鷲羽岳に登頂!
12:50
鷲羽岳(2924m)の山頂に到着!
山頂には誰もいなかった。
贅沢な景色を独り占め。
山頂からの絶景を堪能したあとは今日の幕営地である三俣山荘に向かう。
写真中央の赤い屋根が三俣山荘で、小屋の右上辺りが三俣山荘のテント場。テント場の少し上の雪渓手前くらいまでテントが張れるようになっている。
鷲羽岳から三俣山荘までの下り道は、ザレた急斜面なうえに浮石が結構あるので、注意して歩いていないとズルッと滑って尻餅をついてしまう。ゴールが見えているというのに、歩いても歩いても進んだ実感が得られず疲労が蓄積されていく・・・。
あと少し、あと少し、と自分に言い聞かせながら慎重に坂を下った。
三俣山荘に到着する少し前辺りで左膝に違和感が出て少し焦ったが大事には至らなかった。
三俣山荘に到着
13:50
三俣山荘に到着。
三俣山荘のテント場は1日1人1,000円。トイレは小屋のトイレを利用することができる。
無料の水場は小屋前とテント場の2カ所。
テントを設営
あまり小屋から離れてしまうとトイレや売店に行くのが面倒だと考え、小屋から比較的近い場所にテントを張ることにした。
ハイマツや草木で日陰になっているベストポジションはすでに他の登山者がテントを設営していたので、僕のテントは設営後すぐにサウナ状態になってしまった。
テント設営後はお決まりのこれ。
展望食堂で一息入れる
あまりの暑さに耐えられず三俣山荘の展望食堂に避難。
喫茶メニューの時間が過ぎてしまっていたためカップラーメンを食べた。
三俣山荘の展望食堂はその名の通り、窓から槍ヶ岳が見える素晴らしい展望が自慢だ。名物のサイフォンコーヒーを飲みながら外を眺めるのも良さそうだなあと思った。
カップラーメンを食べ終わったた僕はテントに戻り、近くの日陰で夕方まで外を眺めながらぼーっとしていた。
巨大積乱雲
あまりに暇なので小屋の前に行ってみると、槍ヶ岳方面にもの巨大な積乱雲が発生していた。
そして日が傾いていくにつれ雲は巨大化して不気味な色に変色しながら槍ヶ岳に近づいていく・・・。
日が暮れて暗くなったところで積乱雲の切れ間で雷が発生していた。
就寝
1日目の疲れが取れないままスタートした2日目。
無事に三俣山荘までやって来ることができた。疲れは蓄積していくばかりだが、楽しさが上回っている間は体は問題なく動きそうだ。
2日目の夜も明るい月がテント場を照らしていた。
トイレに行ったついでにテント場と三俣山荘を少し撮影した。
2日連続で晴天が続き夜もご覧の星空。
「こりゃ明日も晴れだな」
そう思いながらテントに戻り再び眠った。
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