2017年8月27~28日で北アルプスの立山に登ってきた。
土曜日の夜に自宅を出発し、扇沢駅そばの無料駐車場に到着したのが日付が変わる少し前。土日で立山に登る人たちが先に車を停めていることもあって、すでに駐車場は満車寸前。
なんとかスペースを見つけ車を滑り込ませた。
無料駐車場は扇沢駅に到着する直前の左側にあり、そこから先にある駐車場はすべて有料。
扇沢から室堂へ
長野県側から入る場合は4つの乗り物を乗り継いで、登山のスタート地点である室堂まで移動する。
各種乗り物はスムーズに乗り継ぎできるように時間設定さがされていて、降りたら次の乗り場へ・・・を繰り返して室堂に向かう。
ただし扇沢駅から室堂までの往復運賃が9,050円となかなかのお値段・・・。
関電トンネルトロリーバスで扇沢駅から黒部ダムまで移動
扇沢駅からは関電トンネルトロリーバスという電気のバスに乗って黒部ダムまで移動する。
始発の7:30発のバスに乗るために改札口で待っていると、駅員さんらしき人がカートを引いてやってきて、並んでいる人たちの前で弁当の販売を始めた。この方のトークが非常に面白く、退屈な待ち時間が笑いの絶えない楽しい時間に変わった。
あとで調べてみたところ、どうやらこの方はナニコレ珍百景にも選ばれている扇沢駅の名物駅員さんのようだった。
トロリーバスは出発してすぐにトンネルに入り黒部ダムへ向かう。(現在は電気バス)
バスが走る関電トンネルは映画「黒部の太陽」の舞台にもなった場所で、車中のテレビで当時のエピソードなどが放映されていた。
黒部ケーブルカーで黒部湖から黒部平まで移動
黒部ダムに到着すると降車した乗客たちは、次の黒部ケーブルカーの出発場所である黒部湖駅まで足早に歩いていく。
ここでは黒部ダムの放水が行われており、ダムを一望できる展望台まで行ってじっくりダムを見たかったが、ケーブルカーの乗り継ぎ時間に間に合わなくなるため、迫力満点の放水をじっくり撮影することはできなかった。
立山ロープウェイで黒部平から大観峰まで移動
黒部平に到着すると立山ロープウェイまで若干時間があるため、建物屋上の展望台に移動して北アルプスの山々を眺めてきた。
この日は天気が良く、遠くの山々がよく見えた。
展望台で景色を見ていたせいでロープウェイの列に並ぶのが遅れてしまい、座ることができなかった。
立山トンネルトロリーバスで大観峰から室堂へ
ここまで来るとあと一息。
立山トンネルトロリーバスは、立山の真下を通るトンネルを走るバスで、一番最初に乗った関電トンネルトロリーバスよりも乗車時間は短い。
あっという間に室堂に到着した。
立山三山登山スタート!
立山は雄山・大汝山・富士ノ折立という3つの山の総称で、3つ合わせて「立山三山」と呼ばれている。ただ「立山三山」には諸説あるようで、浄土山・雄山・別山の3つを立山三山と呼ぶケースもあるらしい。
今回はポピュラーなほうの立山三山に登ることにした。
まずは最初の山である雄山に向けて出発した。
室堂から雄山へ
9:20
室堂から雄山までは一般観光客も訪れる割と簡単なルート。
子供たちが元気に走ったりするくらい登りやすい道になっている。
写真の右に見えるのが一の超山荘で、左上のほうに見える小屋が雄山山頂。
一の越山荘に到着
10:00
一の越山荘に到着。
ここで10分ほどトイレ休憩。
そして持ってきた行動食を少し口に入れて雄山の山頂に向けて出発。
雄山への登りは大渋滞。
写真の圧縮効果が出ているからかもしれないが、中間地点あたりでものすごい渋滞が発生していて、なかなか先に進むことができなかった。
この辺りまで来ると北アルプスがよく見える。
渋滞を抜けて山頂までもう一息。
雄山に到着
11:25
雄山に到着。標高2,992m。
一の越山荘から雄山まで1時間のコースタイムが渋滞の影響で30分ほどオーバーしてしまった。
ポカリスエットと立山のピンバッジを購入してベンチで休憩。
遠くにうっすらと富士山が見えた。
大汝山へ
11:33
休憩もそこそこに次の山、大汝山へ向けて出発。
11:50
大汝山に到着。標高3,015m。
立山三山のなかでもっとも標高の高い山が大汝山。
大汝山の山頂直下の大汝休憩所。
映画「春を背負って」のロケ地らしい。
映画を見ておけば立山三山歩きも別の楽しみがあったのかもしれない。原作の小説は読んだんだけど映画は未見。
原作の小説は凄く面白いのでお勧め!
富士ノ折立へ
少々時間が押しているため、大汝休憩所では休憩せずに先を急いだ。
12:10
富士ノ折立に到着。標高2,999m。
これにて立山三山コンプリート。
最初の雄山に登ったところで結構疲れてしまったが、一度稜線上まで来てしまえばあとは楽勝だった。
そして目の前に広がる絶景!
剱岳の右側には後立山連峰や白馬三山などがよく見える。
以前に唐松岳に登ったけど、次は後立山・白馬・栂海新道を繋げて日本海まで歩いてみたいなあ。
剱岳の展望台「別山」へ
立山三山登山は終わったが、そのまま先へ進む。
次は剱岳がよく見える別山へ。
いったん下って・・・。
そして登る・・・。
別山への最後の登りが辛かった。
14:00
別山南峰に到着。
少々時間がかかってしまったのは途中の稜線で室堂方面のタイムラプス撮影(と称した休憩)をしていたため。
来た道を振り返る。
扇沢から室堂までの移動は少し面倒だったけど、最高の天気に極上の稜線歩き・・・最高だった。
そして別山から見える剱岳は圧巻。
これまで遠くから眺めたり、雑誌などで見るだけだった剱岳をこうやって眺めていると、その迫力に圧倒されてしまう。
事前に調べた情報では、剱岳は南峰よりも北峰のほうが展望が良いということだったが、この後に控えている剱沢キャンプ場までの移動を考慮して今回はパス。
タイムラプス撮影をしながら休憩をとった後は本日の幕営地「剱沢キャンプ場」へ。
剱沢キャンプ場にテントを設営
別山から剱沢キャンプ場への道は急坂を下る。
15:15
剱沢キャンプ場に到着。
剱沢野営管理所でテント泊の受付
剱沢キャンプ場に到着したところで、まずはテント場そばにある野営管理所でテント泊の受付を行う。
料金は1人500円。
水はテント場にある2か所の水場を無料で使用できるが、そのまま飲むことができないので要煮沸。
テント場近くに和式のトイレが2か所ある。
テント場はご覧の通り。
広々していてどこにでも張ることができるが、平坦ではない場所が結構あって、良さげなところはすでに取られてしまっていた。
少し窮屈ではあるものの、水場もトイレもそれほど遠くない平らな場所を見つけ、そこにオニドーム1を設営した。
テントの中から剱岳が見える贅沢
設営したテントの中から剱岳が見える。
こんな贅沢なロケーションがあるだろうか。
ここなら景色をつまみにビールを何本でもいけそうだ。とりあえず剱澤小屋まで行って飲み物と軽食を買ってこようと思ったものの・・・。
テント場から剱澤小屋が遠い
剱沢キャンプ場には水場とトイレはあるものの売店がない。
したがって飲料や食料などを調達したい場合は、野営管理所から少し離れた場所にある剱澤小屋まで行く必要がある。
ところが剣澤小屋がまあまあ遠い。
上の写真は野営管理所から剱澤小屋に向かう途中で撮影したもので、下に見える赤い屋根が剣澤小屋。早めに歩いて片道10分程度。
ここで色々買ってもテント場に持って帰るのが面倒だし、ゴミをまた持ってくるのが面倒だよなぁ・・・と思い、カップラーメンとコーラを買って小屋の前で頂くことにした。
剱岳を眺めながらカップラーメンを食べる。
食後はペットボトルの水を2リットル購入し、プラティパスの水筒に移し替えてテント場に持っていくことにした。価格はなんと900円。
テント場の水を煮沸して使う面倒を考えれば仕方のない値段かもしれない。
持ち帰った水を使って晩御飯を準備してササっと食べる。
日が暮れたところでシュラフに入って目を閉じた。
剱沢キャンプ場の夜
20:00
なかなか寝付けないのでテントの外に顔を出してみると美しい星空が広がっていた。
この光景は何としてでも撮らなくては!と写真とタイムラプスを撮影した。
剱岳は次の機会に
もし体力的に余裕があれば2日目の早朝に剱岳に登り、その後テントを撤収して下山という「あわよくば剱岳」というプランを用意していたが、このプランは1日目の途中で諦めていた。
そんなわけで薄曇りの2日目はテントを撤収して扇沢まで戻る。
6:00
剱沢キャンプ場を出発。
雷鳥坂
6:30
剱御前小舎に到着。
ここから雷鳥坂を1時間ほど下る。
今回はまだライチョウと出会っていなかったた。
雷鳥坂という名がつくこの場所であればもしかしたら出会えるかもしれない!そう思って周囲に注意を払いながら坂を下って行ったが結局ライチョウには会えなかった。
雷鳥坂を下り、沢を渡ると雷鳥沢キャンプ場。
雷鳥沢キャンプ場
平日の朝ということもあってテントはまばら。
雷鳥沢キャンプ場からの登り返し。
疲労が蓄積した体にこの登りはなかなか大変だった。
途中で地獄谷を通過。
このあたりには火山性ガスの濃度を警告するランプが所々に設置されていて、危険度に応じて黄色や赤色に光って知らせてくれるらしい。
みくりが池温泉
みくりが池温泉は日本最高所(標高2,430m)の温泉で、日帰り入浴もできるため、登山者にも人気のスポット。
ここに来たら温泉に入ろうと思っていたが、早く帰りたい一心でスルーしてしまった。
みくりが池
8:15
みくりが池はアニメ映画「おおかみこどもの雨と雪」で登場した場所。この日は薄曇りで風も強く写真写りはイマイチ。
8:25
室堂に到着。
トイレを済ませて扇沢駅に向かう。
黒部ダムに寄り道
各種乗り物を乗り継いで黒部ダムまで戻ってきたところで晴れてきた。
もう少しのんびり滞在していた方が良かったかも・・・と思っても時すでに遅し。せっかくなので黒部ダム周辺で休憩していくことにした。
黒部ダムの放水を撮る
ダムの放水を真上から撮影。
近くで見る放水はすごい迫力だった。
黒部ダムレストハウスで黒部ダムカレーを食べる
朝から大したものを食べていなかったので、黒部ダムレストハウスで黒部ダムカレーを注文した。
黒部ダムカレーはご飯の部分をダムのえん提に見立て、グリーンカレーでダムの湖面を表現している。カレーに入ったカツが何なのかはよく分からなかった。
登山帰りの下界メシは何を食べてもたいがい美味い。黒部ダムカレーも多分に漏れず質素な食事をしてきた僕の口には贅沢このうえない味だった。
扇沢駅でふたたび・・・
扇沢駅まで戻り、お土産売り場で職場に持っていく土産を物色していたところ、トロリーバスの改札口から軽快なトークと乗客の笑い声が聞こえてきた。
昨日見た駅員さんがまた例のトークを繰り広げていた。
・・・というわけで初めての立山登山は無事に終わり、剱岳に登るというミッションが次回に繰り越される形となった。
次に訪れるときは時間に余裕を持たせて浄土山を含めた立山三山完全コンプリートと剱岳登頂を目指したい。
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