重太郎新道から前穂高岳と奥穂高岳に登って穂高岳山荘にテント泊してきた

前穂高岳の山頂 北アルプス 登山

9月初旬。

上高地から重太郎新道を通って前穂高岳と奥穂高岳に登る1泊2日のテント泊登山に挑戦した。

このルートは以前から興味はあったものの、雑誌などでは2泊3日を推奨していたので、まとまった休みを取らないと難しそうだな・・・と登る機会をうかがっていた。

ところがコースタイムを調べてみると、1泊2日でも十分行けそうなことが分かったので、テント泊登山で挑戦してみることにした。

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上高地から前穂高岳へ

上高地バスターミナル

前日の夜に沢渡の「かすみ沢駐車場」に車を停め、車中泊したのちに翌朝の始発バスで上高地へ移動し、登山届の提出やトイレなど準備を整えて出発。

穂高・岳沢登山路へ

今回は重太郎新道を登って前穂高岳に登り、吊り尾根を通って奥穂高岳に登り、穂高岳山荘にテント泊するというプラン。

穂高・岳沢登山路

河童橋を渡って少し歩いた先の登山口から登山スタート。

上高地から涸沢に向かう場合はバスターミナルから明神・徳沢・横尾と平坦な道を数時間歩く必要があり、なかなか登山らしい登山ができないが、岳沢小屋へ向かう登山道は上高地から20分程度で到着し、割と早い段階で登山っぽくなる。

朝方の岳沢小屋までの道は、日陰になっていて結構冷える。

岳沢小屋までの登山道には、カウントダウン方式の標識が木に括り付けられていて、自分が今どこにいてあとどのくらい歩けば小屋に到着できるのかを知ることができる。

岳沢小屋でトイレ休憩

2時間もしないうちに岳沢小屋が見えてきた。

岳沢小屋

7:25

岳沢小屋に到着。

岳沢小屋

岳沢小屋から先は、宿泊地の穂高岳山荘までトイレがないので、ここでしっかりトイレも済ませておきたい。

テラスからは霞沢岳、焼岳、乗鞍岳などを眺めることができる。

なかなか素晴らしい景色だが、陽が当たらない日陰の時間帯で非常に寒く、座っていたら体温が急降下してしまった。思わずウィンドブレーカーを羽織ってしまった。

登山雑誌などではこの岳沢小屋で1泊し、翌日以降に前穂高岳と奥穂高岳を目指すプランを推奨していることが多いようだけど時刻は午前8時前。

先へ進まなければ。

重太郎新道を行く

岳沢小屋から先は重太郎新道を歩いて前穂高岳の山頂を目指す。

重太郎新道というのは昭和26年に完成した、今田重太郎さんが切り開いた登山道。今田重太郎さんはこの登山道だけではなく、穂高岳山荘の前身である「穂高小屋」を建設された方らしい。

登山道を「歩く」ではなく「登る」になってきた。

カモシカの立場

カモシカの立場

カモシカの立場で休憩。

そろそろ本格的な岩登りが始まるような気がしたので、持ってきたヘルメットを被った。

OMM Classic32

今回はOMM Classic32という32リットルの軽量バックパックにテント泊装備をパッキングしてきた。登山の中盤から後半にかけて岩をよじ登る場面が増えることを想定して、軽くてコンパクトで動きやすいバックパックを選んだ。

これが大正解。

今回の登山にピッタリだった。

岳沢パノラマで長野県警のヘリコプターと遭遇

岳沢パノラマに到着。

この辺りまで登ってくると霞沢岳と焼岳がよく見える。

景色を堪能していたら長野県警察のヘリコプターがホバリングしながら下を確認するように行ったり来たりしていた。

周辺をしばらく捜索したのちに去っていった。

雷鳥広場

雷鳥広場にいたホシガラス。

ライチョウはいなかった。

この辺りまで登ってくると普通に歩けるような場所はもうない。

黙々と高度を上げていく・・・。

紀美子平到着

10:33

紀美子平に到着。

ここでしばらく行動食を食べながら休憩したのちに必要最低限のモノだけを持って前穂高岳山頂へ向かった。

前穂高岳山頂へ

前穂高岳の山頂は紀美子平から登り30分、下り20分のコースタイム。

バックパックを紀美子平に置いて山頂を目指すのが一般的で、紀美子平の周辺にはバックパックがたくさんデポされていた。

前穂高岳の山頂に続く道はもう「道」ではなく「ただの岩」だった。

岩に塗られたペンキと先行者を頼りに先へ進む。

三点支持を意識しながらどんどん登る。

落石に注意しながら、先行者との距離を保つ。

慎重に登って・・・。

前穂高岳の山頂に到着!

11:29

前穂高岳登頂!

標高3,090m。

前穂高岳の山頂

山頂は巨大な岩がゴロゴロ転がっていて歩きづらいが割と広い。

前穂高岳の山頂

山頂の標識から奥に進むと、穂高連峰からその先の槍ヶ岳まで見渡すことができる。

手前には北穂高岳に登る登山道と北穂高小屋が見え、大キレットの向こうには槍ヶ岳山荘と槍ヶ岳が見えた。槍ヶ岳の右下には赤い屋根の殺生ヒュッテも見えた。

しばらく山頂からの景色を堪能して、来た道を慎重に歩いて紀美子平に戻った。デポしてあったバックパックを回収して奥穂高岳に向かう。

吊り尾根を歩いて奥穂高岳へ

紀美子平から吊り尾根を歩いて奥穂高岳へ向かう。

紀美子平までの道中でかなり体力を消耗していた僕にとって、ここから奥穂高岳までの吊り尾根は地獄だった。

休憩しては水を飲んで・・・を繰り返していたら、最後の登りの少し手前で水が切れてしまった。すっかり疲れて座り込んでしまった僕は、眼下に見えた涸沢の写真を撮りながら休憩した。

休憩後少し歩いたところでライチョウに出会った。

見つけた時にはすでに岩陰へ向けていそいそと歩いている最中で、撮影できたのはこの1枚のみ。おそらく母鳥とだいぶ成長した子供たちだと思われる。

ここまでの道中ですっかり疲れてしまった僕は、最後の力を振り絞って南陵の頭に登った。

そして・・・。

奥穂高岳の山頂に到着!

14:24

ようやく奥穂高岳の山頂に到着した!

長かった。

すでに周囲はガスで展望はなかったが、ここまで登ってきた達成感はひとしお。

山頂で記念撮影をして穂高岳山荘に向かった。

穂高岳山荘へ

山頂から穂高岳山荘に歩き出したところでガスの切れ間からジャンダルムが姿を現した。

なんともいえない存在感と迫力に圧倒されてしまった。

いつかは歩いてみたい場所ではあるが・・・挑戦できる日は訪れるのだろうか?

奥穂高岳の山頂から穂高岳山荘は歩いてすぐだと思っていたらそうでもなかった。

穂高岳山荘が見えてきた。

穂高岳山荘は大混雑

15:17

穂高岳山荘に到着。

予定していたよりもやや遅めの到着になってしまったが、軽量な夏山装備であれば僕の体力でも1日で上高地から穂高岳山荘まで来ることができることが分かった。

テント場の受付をするために小屋の中に入ると、カウンターは宿泊やテント泊の人たちで長蛇の列ができていた。そして受付には「小屋泊は布団1枚に2人で寝てもらう」的な掲示物が・・・。

これはテント泊が優越感に浸れるやつだ!

小屋泊は混雑して大変ですね、僕はテントで優雅に休ませてもらいますよ・・・と、受付を済ませてテント場に向かったが・・・。

穂高岳山荘のテント場

張る場所がない!

小屋からヘリポートに向かう途中の段差のスペースはすべて埋まっていて、ヘリポートもこのありさま・・・。

残っていたのは大きな階段状になった設営スペースで、うっかり寝返りをうったら下の段に転がり落ちてしまうのではないかと思えてくるほどの斜度と狭さだった。

トランギアミニを使って湯沸かし

トランギアミニ

テントの前室も当然ながら斜めになっているため、火器類を使うことができない。しかたなく小雨の降る中、テントの外の通路の階段脇でお湯を沸かしてフリーズドライの白米に無印良品のカレーをかけて食べた。

今回は荷物を軽量化するためにガスバーナーではなくアルコールストーブを持ってきた。

ジェットボイルなどと比較するとお湯が沸く時間はだいぶ遅いが、燃料は使い切りだし重量もだいぶ軽くなるしで、風の強い日でなければこれで十分だなということを改めて実感した。

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穂高岳山荘のテント場で眠れぬ夜をすごす

INERTIA-O zone

シュラフは夏用のものにSOLのエスケープヴィヴィを被せ、エアマットはシュラフの中に入れて使うKLYMIT INERTIA-O zoneを持ってきた。

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睡眠のための道具類のチョイスに間違いはなかったが、問題はテントを設営した場所。

階段状になった僅かなスペースは下の段に向かって角度がついており、寝返りをうったら下の段(下にも別の登山者がテントを張っている)にテントごと転がって落ちてしまうのではないか?と心配になるほど狭く危うい。

この斜度をなんとかすべく、マットの下にレインウェアなど敷けそうなものを色々と設置して平地化を進めたが、気休めにしかならなかった。

無暗に体を動かしたら下に落ちる・・・ということを意識しながら眠るのは難しい。しかも夜が更けていくについれ、強風がテントを揺らし、さらに雨が降ってきた。

過酷な環境下に置かれた僕はろくに眠ることができずに朝を迎えた。

穂高岳山荘から見た朝の風景

朝になると雨は上がっていた。

しかし空には雲が出ていてご来光は見れそうになかった。

奥穂高岳方面にはヘッドライトを点けた登山者たちが山頂を目指して出発していた。

昨日はガスで何も見えなかったので、僕も奥穂高岳に登ろうかな・・・と一瞬考えたが、次の日から仕事で早めに下山したかったので撤収して涸沢に下ることにした。

上高地へ向けて下山開始

5:30

穂高岳山荘を出発した。

今日は穂高岳山荘からザイテングラートを下り、涸沢を経由して上高地に下山する。ザイテングラートは滑落や落石などの事故が多発している場所で、過去に死者が出る大きな事故も発生しているため、ヘルメットを被って慎重に歩いた。

ザイテングラートで見た朝日

ザイテングラートを少し下ってきたところで雲の切れ間から太陽が見えた。

背後には月が。

ザイテングラートを通過してパノラマ分岐から涸沢小屋方面へ向かう。

途中ですれ違った老夫婦。

片手にポールを持って着の身着のままといった感じだが、どこまで向かうのだろうか。

涸沢小屋の手前ではチングルマが綿毛を揺らしていた。

涸沢小屋のテラスで朝食

6:51

涸沢小屋に到着。

涸沢小屋

自動販売機でコーラを買って、無印良品のバナナバウムを食べた。

朝食後は涸沢小屋を出発。

上高地までほぼノンストップで下山

涸沢からはほぼノンストップ。

荷物が軽量・コンパクトということもあって足取りは軽やか。

横尾まで来ればもう帰ってきたも同然。

次のチェックポイントの徳沢でソフトクリームを食べて一気に上高地へ。

終盤は疲れてペースが落ちてしまったが、ケガやトラブルなく無事にゴールすることができた。

最後に

登山を始めてからいつか歩きたいと思っていた、重太郎新道からの前穂高岳と奥穂高岳登山をようやく実現させることができた。

ただ、奥穂高岳の山頂ではガスが出てしまい周囲の景色が楽しめなかったので、機会があれば同じコースを歩いてリベンジしたいと思う。

翌年リベンジした結果

【テント泊】北アルプスの前穂高岳と奥穂高岳に登って涸沢経由で下山【重太郎新道】
急きょ連休になった週末。 こういう時は初めての山よりも過去に登ったことのある山、歩いたことのあるルートのほうが安全に歩けると思い、昨年の9月に歩いたルートを再訪することにした。 仕事を終えた金曜日の夜に車を走らせ、上高地の手前の沢渡バス...

登山記録 YAMAP

上高地から重太郎新道を歩いて前穂高岳・奥穂高岳の山頂へ! / はらですぎさんの槍ヶ岳・穂高岳・上高地の活動データ | YAMAP / ヤマップ
肌寒くなった北アルプスの穂高の山を1泊2日のテント泊で歩いてきました。 沢渡までマイカーで移動し、そこからバスで上高地まで移動。 岳沢から前穂高岳を経由して奥穂高岳に登り、穂高岳山荘にテント泊。 翌日はザイテングラートから涸沢を通って上

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