毎年9月下旬くらいになると、涸沢の紅葉がピークを向かえる。昨年の紅葉は不発気味(僕はそう感じた)に終わっただけに、今年の出来に期待している。

2017年は9月30日が土曜日で、10月1日が日曜日。おそらくこの土日が最も涸沢が混雑する日ではないかと考え、僕は1日早めた9月29~30日で涸沢に登ることに決めた。
上高地バスターミナルから涸沢へ!
仕事を終えた夜に沢渡の「かすみ沢駐車場」まで移動し、駐車場に車を停めて車中泊。翌朝早朝に乗り合いタクシーで上高地バスターミナルへ。
退屈な平坦路
涸沢までの道のりで一番面倒なのが、上高地バスターミナルから横尾までの平坦路。
上高地バスターミナルと横尾(もしくは徳沢)の区間でマウンテンバイクレンタルがあればいいのになあと思う今日この頃・・・。
というわけで、横尾まで来たところで休憩。
なかなかの紅葉だが天気が・・・
本谷橋を通過。
この日の天気予報は晴れ。
涸沢の反対側の空はまあまあ晴れているが・・・
涸沢側は簡単には動いてくれなさそうな雲がどんよりと漂っていた。
紅葉はいい感じなので穂高の空にどんよりと漂う雲だけが気がかり・・・。
涸沢ヒュッテと涸沢小屋の分岐に到着。
昨年元気のなかったナナカマドは赤く綺麗に色づいていた。
涸沢に到着!
分岐から涸沢小屋方面に登っていくと涸沢カールが正面に見えてくる。
涸沢小屋周辺から上のほうまで綺麗に紅葉していたが、山の上にはどんよりとした簡単には動いてくれそうにない重厚な雲が鎮座していた。
テント場に到着したところで場所の確保。涸沢ヒュッテに近くて岩の凹凸が少ない場所を探す。
良さげな場所にバックパックを置いて場所を確保したあとは、テント泊の受付をしている小屋に置いてある枚数限定のコンパネ(テント場の岩の凹凸を無効化するベニヤ板)を取りに向かった。
コンパネは枚数に限りがあり早い者勝ち。
受付時に自己申請して幕営料とともに代金を支払うシステムになっている。
急いで小屋に向かい「よし、まだコンパネがある!」と目視で確認したその瞬間、僕よりも早く到着した数名が残りのコンパネを持っていってしまった。
点滅している横断歩道の信号に慌てて走っていったら丁度赤になってしまったような、駅のホームに駆け上がっていったら丁度ドアを閉められてしまったような、何とも言えないギリギリのタイミングだった。
涸沢パノラマ売店でラーメンとビールをいただく
気を取り直して涸沢パノラマ売店で腹ごしらえ。
涸沢パノラマ売店といえば「おでんセット」が人気だが、この日は気温が低く温かいものが食べたいと思ってラーメンをチョイス。
ラーメンの味は上々。(ちょっとヌルかったけど・・・)
生ビールは美味かったが冷えた体にはちょっと早すぎたかもしれない。
パノラマ食堂から見た常念岳方面は快晴。
食後は涸沢ヒュッテ周辺を撮影しながら歩いた。
テント場の受付開始時間が使づいてきたところで受付小屋に並んだ。順番待ちの列はまだそれほどでもなく、受付開始後すぐに順番が回ってきた。
その後もテント泊の受付小屋に並ぶ登山者は増え続け列は少しずつ伸びていった・・・。
涸沢でテント泊する場合は、テントの設営場所を確保したら受付の小屋が開く時間を確認して、受付開始の10~15分前くらいに並んでおいたほうがいいと思う。
涸沢の上空に風が吹く
どんより曇った涸沢。
あまりの雲の多さに青空を諦めていたが、しばらくすると雲が激しく動き出した。
そして・・・。
晴れた!
待ちに待った青空。
空を覆っていた分厚い雲はどこかに消えた。
涸沢に訪れていた登山者たちがざわめきだす。
日が暮れる前に晴れてくれて良かった。
その後も涸沢へ訪れる登山者の数は増え続け、涸沢パノラマ売店の「おでんセット」は早々に売り切れてしまった。
売店の周りを半周するくらいの行列が出来ていた。
テント場ですごす贅沢な時間
売店の行列に並び、ビールとスナック菓子を購入し、テント場に戻って一息。
テント場の受付小屋の行列はさらに長くなっていた。
テント場でビールを飲みながら景色を眺める。
こんな贅沢な時間が他にあるだろうか。
テント場でぼーっとしたり、タイムラプス撮影をしたりしながら、涸沢の紅葉を存分に楽しんだ。
涸沢の夜
陽が沈むと涸沢は一気に冷え込む。
テント場には無数のカラフルなテントが広がり、
空には無数の星が散らばっていた。
夜の涸沢を撮影した後はテントに戻り、翌朝の快晴を願いつつシュラフに入って眠った。
涸沢の朝
翌朝。
昨日の昼間は涸沢側が曇って、常念側が晴れていたが、今朝は逆だった。
陽が登ってくる常念側が曇っている・・・。
太陽が出てきて穂高の山々が一瞬色付き「モルゲンロート来たか!?」とテント場がざわつくが、すぐに雲に隠れてしまい赤く染まるモルゲンロートは見ることができなかった。
ただ、天気はまずまず。
下山
今日は土曜日。
恐らく多くの登山者はこの土日で涸沢の紅葉を見に来るはず。ここでのんびりしていて出発を後らせてしまうと、登ってくる大勢の登山者たちとのすれ違いで時間を大幅にロスしてしまう。
とりあえず道幅に余裕が出てくる横尾あたりまで急いで移動しようと思い、走れるところは走って先を急いだ。急ぎ足で走ったり歩いたりを繰り返しながら、先行する登山者を追い抜いていく。
途中で追い抜きざまに「あら、忍者みたいね」というマダムの声が耳に入ってきた。もしかしたら身軽に見えたのかもしれないが、僕はこう見えても身長169cmで体重が74kgというメタボリックなオッサンなので、それは気のせいだと思う。
横尾まで戻って来たところでペースを落として通常歩行で上高地を目指した。
すれ違う登山者たちに「おはようございます」「こんにちは」を繰り返しながら・・・。
徳澤園でソフトクリーム
徳沢まで来たところでようやく休憩。
ソフトクリームを食べて出発。
小梨平キャンプ場に寄り道
登山を始めて2年目の時にテント泊した小梨平キャンプ場。

下山する時はそそくさと通り過ぎてしまう小梨平キャンプ場だけど、久しぶりにどんな感じだったかを確かめたくて、梓川のほとりのテントサイトに寄り道してみた。
やっぱり良い場所だよねここは。
上高地に到着
上高地に戻ってきた。
乗ろうと思っていたバスに無事に乗ることができそう。
2016年の涸沢の紅葉はイマイチだったけど、2017年の紅葉はまずまずな感じだった。
でも僕が初めて涸沢で見た紅葉には敵わない。
過去最高の紅葉を見るために僕は来年も涸沢に行くことになるだろう。



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