海の日を含めた3連休。
三股登山口を起点に常念岳から蝶ヶ岳にぐるりと左回りに歩く計画を立てた。
仕事を終えた金曜日の夜に中央自動車道を走り三股登山口に向かう。
三股駐車場の手前の林道が崩落で通行止め
三股登山口は蝶ヶ岳と常念岳のどちらにも登ることができる便利な場所で、登山口のすぐ手前には公衆トイレ付の無料駐車場がある。
しかし今年に入ってから三股駐車場の手前の林道が崩落してしまい、駐車場の手前までしか行くことができなくなってしまった。
幸い手前の森の広場駐車場が利用可能で、崩落した林道も歩いて通るスペースは残されているようだった。登山口まで歩く距離が少し伸びてしまうが、三股登山口からの登山は問題なくできる。
森の広場駐車場に深夜過ぎに到着すると、すでに登山者の車で埋め尽くされていた。なんとか駐車スペースを見つけ、車内で仮眠をとった。
森の広場駐車場を出発
翌朝。
準備を整えて5時前くらいに森の広場駐車場を出発した。
崩落した林道の手前に登山届を受け付けるためのテントが張られていた。
僕は事前にネット経由で登山届を提出していたので先へ進んだ。
崩落した道路の脇を通り、しばらく歩いていくと三股駐車場が見えてくる。崩落した林道から先は車が入れないので当然ながら駐車場に車は1台も停まっていない。
三股駐車場でトイレを済ませ、さらに先の三股登山口へ向かう。
三股登山口に到着。
普段ならここが登山届の提出場所だが、現在は崩落した林道の手前で受付をしているため、人の気配はない。ホワイトボードには熊の目撃情報が記載されていた。
「7/2 常念岳直下に一頭のクマがいました。」
三股登山口から常念岳方面へ
登山口から歩いてすぐのところに蝶ヶ岳と常念岳の分岐がある。
蝶ヶ岳は直進、常念岳は右に進む。今回は常念岳経由で蝶ヶ岳を経て再びここに戻ってくる左回りの周回コースなので、常念岳方面へ進む。
樹林帯を行く
序盤からなかなかの登りで早々に息が上がるが慌ててはいけない。
ペースは遅くても長時間歩けるペースを維持した方が結果的に先へ進むことができる。ウサギとカメの競争で言うところのカメのほうが登山には向いているのではないかと思う。
常念岳に向かう登山道にはウサギもカメもいなかったがカエルがいた。
じわじわと歩みを進め、少しずつ標高をあげていく。
足元に見慣れない植物を見つけた。
ギョウリンソウというらしい。
森林限界を超え岩稜帯に入る
森林限界を超えると背後に絶景が広がる。
普段なら森林限界以降は絶景を楽しみながら登っていくことができるのだが、この日は日差しが非常に強く、照り付ける太陽に体力を奪われてしまった。
しっかりと水分補給しつつ、持ってきたパワージェルなどで補給をしていたが、体の動きが徐々に鈍ってきた。
そして強い日差しは僕の上腕を焦がし続ける。
ペースが上がらないまま前常念の手前にある避難小屋にたどり着いた。
ここでバックパックをおろして本格的な休憩を取ることにした。当初の計画の中には常念小屋に立ち寄らずに常念岳の山頂に登り、そのまま蝶ヶ岳ヒュッテまで行ってテント泊するというものがあったが、ここまで来た段階でその計画は無理だということを全身で感じていた。
しばらく休憩した後は荷物を背負って再び歩く。
前常念から分岐へ
前常念を通り過ぎ、さらに先へ進む。
実はこのあたりから撮影した写真の一部をパソコンに取り込む際に誤って消してしまった。常念岳山頂直下の斜面にいた熊の写真も・・・。
離れた距離だったが実物の熊を目撃したのは初めてだった。
「7/2 常念岳直下に一頭のクマがいました。」
三股登山口の掲示板に書かれていたこのクマかもしれない。
ピークハントは諦めて常念小屋へ
ようやく常念岳と常念小屋の分岐に到着。
ここから少し登れば常念岳の山頂だが、すでに体力の限界を迎えていた僕は常念小屋方面に向かうことにした。今日登らなくても蝶ヶ岳に向かう途中の通過点だしな・・・と山頂に向かわない理由を無理やり作って自分に言い聞かせた。
常念小屋に到着
分岐からの長くて辛い(この時はそう感じた)下りを歩いてようやく常念小屋に到着。
すっかり疲れ果ててしまっていたが、まずはテントを張る場所の確保が最優先。常念小屋に入ってテント泊の受付を済ませて設営に向かう。
常念小屋のテント場は山小屋のすぐ近くと、少し離れた場所の2ヵ所。
利便性を考えて小屋の近くにテントを張りたいところだが、小屋近くのテント場は傾斜になっていてなかなか良い場所が無い。ただ小屋から離れたほうのテント場も良さそうな場所は埋まっていた。
それなら近い方がいいかなと思い小屋近くにテントを張ることにした。
テントを設営した後は、ヘリノックスのチェアゼロという小さい椅子をテント場前の広場に置いて、遠くに見える槍ヶ岳をぼーっと眺めていた。山小屋に到着した段階で元気な時はビールを飲むが、この日はそんな気分ではなかった。
椅子に座ってしばらく休んでいたら食欲が出てきたので小屋に行って何か食べることにした。
常念小屋で牛丼を食べる
常念小屋に入り牛丼を注文。
白米の量に対して具材の量が若干少なく感じたが味はまずまず。
塩分濃度高めの味噌汁が最高だった。
食後は再び常念小屋の前に椅子を広げて座る。
その後も登山者は続々と訪れ、テント場はカラフルなテントで埋め尽くされた。
常念小屋のテント場
常念小屋近くのテント場はすでに満員状態。
ここまで混雑するとは思っていなかったので、最初は適当にテントを張っていたが、困っている人がいたのでテントを少しずらして空きスペースを提供した。
小屋から少し離れたほうのテント場もテントでびっしり。
夕焼けは撮れず・・・
夕方は雲の動きが活発だった。
槍ヶ岳方面に沈んでいく夕日を眺めようと思っていたが、じわじわと増え続けた雲が周囲を覆って何も見えなくなってしまった。
早めの夕飯は豚汁。
普段は尾西の白飯にカレーだが、この日は疲れが原因なのか分からないが食欲があまりなかった。牛丼を食べた直後は結構元気になったんだけど・・・。
今回は荷物の軽量化を考慮してアルコールストーブとトランギアミニを持ってきた。風が強くなければこれで十分。
夕食を済ませたところで早めにシュラフに潜り込んだ。
常念小屋の夜
テント泊登山では熟睡できない僕。
眠りが浅く断続的に目が覚めてしまう。夕方は残念な天気だったけど、夜はどうだろう?とテントから顔を出してみると空にあった雲はどこかに消えていた。
安曇野の街の灯り。
朝は安曇野側から太陽が昇ってくる。
この天気ならご来光はばっちり拝めるはず!
そう思ってシュラフに戻りふたたび眠りについた。
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