少し遅めにとった僕の夏休みを狙い撃ちするかのようにやってきた台風19号と20号。
この時期を逃すと次に取れる長期休暇が秋以降になってしまうため、台風が通過する日に山小屋で1日停滞し、台風一過の快晴を狙うという少しリスキーな縦走登山を計画した。
今回はそんな旅の1日目の記録。
毎日あるぺん号で折立へ
8月21日の夜、仕事を終えた僕は毎日あるぺん号の出発地点である竹橋駅の毎日新聞前に向かった。
台風が本州に向かってきている平日の夜に登山に出掛ける人なんて殆どいないだろうと思っていたが、受付時間が近づくにつれ少しずつ人が集まってきた。
今回乗るバスは折立登山口行。
折立登山口から薬師岳に登って薬師峠でテント泊し、そこから先は台風の状況を見ながら判断することにした。したがって帰りのバスは予約しなかった。
21日の夜に東京を出発したバスは高速道路を順調に走り、数回のトイレ休憩を挟んだのちに翌朝7時くらいに折立登山口に到着した。
薬師峠に向けて折立登山口を出発
バスを下車したのちにトイレと着替えを済ませていざ出発!
まずは薬師峠のテント場を目指します。
序盤の樹林帯はどこにでもある登山道といった感じで、それほど厳しい登りもなく自分のペースで歩くことができた。
森林限界を超えると傾斜が緩くなり、かつ周囲の景色が広がって歩いていて気持ちがいい。
危険個所もなければ道迷いしそうな場所もない。
綺麗に整備された緩やかな登山道が続く。
折立は東京方面からのアクセスがあまりよくないため、なかなか足が向かない場所だったけど、このトレイルは初心者や体力に自信のない方でも自分のペースで楽しく歩くことができる登山道じゃないかなあと思った。
薬師岳が見えてきた。
1日目は薬師峠にテントを設営して更にそこから空身で薬師岳山頂を目指す予定。
まだまだ先は長い。
太郎平小屋が見えてきた。
ここまで来ればもう1日目の行程の半分は終わったようなもの。
太郎平小屋から薬師峠キャンプ場へ
最後のひと登りを終えて太郎平小屋に到着した。
ここは薬師岳方面と黒部五郎岳、雲ノ平方面の分岐点になっている。
この日は太郎平小屋から20分ほど歩いた先にある薬師峠キャンプ場にテントを張り、不要な荷物をテント内に置いて薬師岳に登る予定。
太郎平小屋の分岐から薬師峠に向かって木道を20分ほど歩いていく。
しばらく歩くとテント場が見えてきた。
平日(しかも台風接近中)ということもあってかテント場はガラガラ。
比較的早い時間に到着できたこともあって、平坦で小石が殆どない最高の場所を確保することができた。
ちなみに薬師峠キャンプ場の管理は太郎平小屋のスタッフの方々が行っており、昼から夕方の時間になると小屋のスタッフの方が管理小屋までやってきてテント泊の受付と飲み物の販売をしてくれる。
まだ管理小屋の営業時間になっていなかったため、薬師岳に登ってから受付をすることにした。
いざ薬師岳へ!
テントの中に不要な荷物を置いて出発!
荷物が軽い!
樹林帯の大きな岩がごろごろしている道を登っていき、森林限界を超えたあたりから徐々に風が強くなってきた。
台風が接近してきているからなのか、日本海に近いからなのか分からないけど、薬師岳に近づくにつれ風の強さが増していく・・・。
薬師岳山荘で休憩
薬師岳山荘まで来たところで小休止。
携帯電話の電波が微妙に入ったため翌日以降の天気をチェック。
翌日は15時くらいまでなら台風の影響を受けずに移動することができそうだった。
小屋の前には富山湾が広がります。
素晴らしい景色。
小屋を出て少し歩くと槍ヶ岳方面もよく見える。
避難小屋手前の登りで風速がマックスに
薬師岳小屋から山頂の少し手前にある避難小屋跡までの区間が物凄い強風で移動に苦労した。
特に小屋を出て少し登ったあたりが凄かった。
このまま強風が続くのかと思いきや、避難小屋跡を超えたあたりから風は徐々に収まって気にならないレベルになった。
薬師岳山頂に到着
避難小屋跡から少し歩くと薬師岳山頂が見えてくる。
薬師岳山頂に到着!
標高2,926m。
雲はやや多めだったけど360度の素晴らしい展望!
薬師岳小屋から見えた富山湾はより高いところから望める。
山頂から続く立山、剱岳への道。
いつかはこの道を進んで五色ヶ原にテント泊してみたい。
右手奥には後立山の名峰たちが見える。
槍ヶ岳方面もばっちり!
ただ穂高連峰はすでに雲の中・・・。
僕の中では穂高は昼以降はいつも曇っているイメージ。
赤牛岳や水晶岳もよく見える。
薬師岳は今回初めて訪れた山だけど、控えめに言って最高だと思う。
北アルプスの山々の中でもアクセスしづらい場所にあるため、これまでなかなか足が向かなかったけど登ってきて本当に良かったと思える山だった。
薬師峠キャンプ場へ戻る
薬師岳山頂では景色を堪能しつつ、写真を撮ったりタイムラプスを撮影したりと有意義な時間をすごした。まだまだ山頂に留まっていたかったが、薬師峠キャンプ場へ戻る時間も考慮してそろそろ出発することに。
名残惜しさを感じつつ来た道を戻る。
薬師岳の稜線からは太郎平小屋から折立に続く登山道がよく見えた。
折立から太郎平小屋までの道がいかに緩やかで綺麗に整備されているかがよく分かる。
帰りは登りの時のような風はもう吹いていなかった。
薬師岳小屋で休憩&スマホで軽めの情報収集をしたのちに、薬師峠キャンプ場へ戻った。
テント場に戻ると太郎平小屋からスタッフの方が来ていたのでテント泊の受付を済ませ、ついでに缶ビールを買ってテントに戻った。
ちなみに薬師峠キャンプ場の水場は飲める沢水で冷えていて水量も豊富。トイレも洋式で手入れも行き届いていて使いやすかった。
翌日に備えて早めの就寝
その後は特にやることもなくテントの中でゴロゴロ・・・。
夕方になりカモシカスポーツで購入した海鮮ビビンバを食べるも、ひと口目で「これはちょっと・・・」となり、初日から苦行のような食事になってしまった。
いつも通りアルファ米に無印のカレーにしておけば良かったと後悔。
陽が落ちてきたところでシュラフに入って眠ることに。
翌日は台風が本土に上陸し天候が荒れる予報。
果たして2日目はどこに宿泊するのか?テント泊か小屋泊か?
その辺については次の記事で。
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