「たまにはみんなで登りましょう」というLINEの号令とともにメンバーが集まったものの、そこから現実的な計画に発展しない状況を見かねて、日帰りできる関東近県の登山ルートを探してみることにした。
普段から車で目的地まで移動することが多い僕は、たまには運転しないで済む山行にしたいなと思い、以下の条件で登れる山とルートを考えてみることにした。
- 公共交通機関を使って出発地点まで移動できること
- 展望が良いこと
- 初心者でも日が暮れるまでに下山できること
検討した結果、目的地を箱根の明神ヶ岳に決めた。
明神ヶ岳は、神奈川県の南足柄市と箱根町の境にある標高1,169mの山で、山頂からの展望が良く季節を問わず登山者が訪れる人気の山。
せっかく公共交通機関を使って現地まで移動するのだから、こういう時にしか歩けないルートを歩こうと考え、スタート地点とゴール地点が異なる縦走で明神ヶ岳に登ることにした。
大雄山駅から登山口の最乗寺へ
伊豆箱根鉄道大雄山線の終点である大雄山駅に朝8時に待ち合わせ。
東海道線で小田原駅まで移動し、そこから伊豆箱根鉄道大雄山線に乗り換え、7時45分に終点の大雄山駅に到着した。このあたりは金太郎のゆかりの地らしく、駅前には金太郎とその仲間たちの銅像が立っていた。
8時前後にメンバー全員が集まり、駅のすぐ隣にあるバスターミナルから8時14分に出発するバスに乗り込み、登山のスタート地点である最乗寺へ移動した。
終点の道了尊(最乗寺)でバスを下車し、少し歩いたところにあるトイレで用を足し、出発の準備を整えた。今回のルート上にはトイレがなく、出発地点の最乗寺と下山を予定している宮城野のバス停の近くの公衆トイレの2箇所のみ。
したがって過度の暴飲暴食は避けたいところ。
車を運転しない日帰り登山であるため、山頂までビールを担いで登ろうかとも思ったが、このようなトイレ事情があるため、ビールは下山後の楽しみに取っておくことにした。
最乗寺から明神ヶ岳へ
トイレを済ませて出発。
最乗寺の境内の階段を登っていく。
一番最初の階段はそれほど斜度はないが、徐々に階段の傾斜が厳しくなってくる。
最乗寺に到着した段階で、周囲にはちらほらと雪が残っており、スタート地点から雪があるということは・・・と若干の不安を抱いてのスタートとなったが、心配は現実のものとなり歩けば歩くほど雪は少しずつ増えていった。
じわじわと高度を上げていく。
今回歩いたルートは急な斜面も少なく、歩きやすい登山道ではあるが、所々で「え、これどうやって登るの?」と言いたくなる段差があり、足が止まる場面が何度かあった。
出発して1時間ほどで明神ヶ岳見晴小屋に到着した。
写真を見ていただければ分かると思うが小屋の中にはだれもいない。そして小屋の外も中もボロボロで利用出来るような状態ではなかった。
素晴らしい展望が期待できそうな名前の小屋ではあるが、ここからの見晴らしは「まあまあ」といった感じ。
背後に広がる絶景
見晴らし小屋から30分ほど歩くと神明水という水場に到着する。
水場を越えたあたりから背後の景色が一変する。
小田原の街から江ノ島方面までよく見える。
そして遥か遠くの横浜や東京の有名な建造物がうっすら見えた。
スカイツリー。
そしてランドマークタワー。
右には横浜ベイブリッジも確認できた。
冬場は空気が澄んでいて遠くの景色がよく見えると聞いていたが、箱根からスカイツリーが見えるとは思わなかった。
雪の斜面を登っていく
気がつけば雪はさらに増え、登山道は雪に包まれていた。一昨日に平地で降雪があったので、山にも積もっているだろうと思っていたが、この量は想定外だった。
ただ、雪はたっぷり積もっているものの、ご覧の通り非常に緩やかな上り坂であるため、アイゼンなどを装着しなくても歩くことができた。
しかし問題なく歩けたのは、登山道のコンディションが良かっただけで、毎回こうなるとは限らない。たとえ低山でも冬場には軽アイゼンやチェーンスパイクなどの雪山用の道具を常に携行するように心がけたい。
最後の急登を登って山頂へ
山頂まであと少し。
このまま緩い登りが続くのかと思いきや、最後に急登が待ち受けていた。
雪と泥が入り混じった急斜面を登る。
最後の力を振り絞り、急登を登りきると明神ヶ岳の山頂へ続く道と、宮城野へ下る道の分岐に出る。
そして目の前には煙が湧き上がる大涌谷が。
背後には小田原から先へ広がる湘南の海や横浜の街並みが見えた。
明神ヶ岳の山頂に到着!
分岐から歩いて1分ちょっとで山頂に到着。
明神ヶ岳の山頂は広々していて休憩にはもってこいの場所だった。
ここまでの道中で、チラリチラリと見えていた富士山もご覧の通り。
明神ヶ岳の山頂で串揚げを食べる
同行者が「山頂で串揚げを食べたい」と言って様々な食材と油を荷揚げしてきてくれた。
クッカーに油を入れて、食材を刺した串を具を揚げて食べた。
僕は普段山ではお湯で戻すアルファ米やインスタント食品、またはカップラーメンといった質素な食事を食べることが多い。
時折見かける本格調理のハイカーたちを羨ましく思っていたが、今回は仲間たちの計らいでそれが実現した。
使用後の油は「固めるテンプル」でゼリー状にしたうえで、ゴミ袋に収納して持ち帰った。
なんだかんだで山頂には2時間ほど滞在。
気が付いたら空には雲が出てきて太陽が隠れてしまった。
食事の後片付けを済ませ、宮城野へ向けて下山することにした。
宮城野方面へ下山
当初は明神ヶ岳から金時山の山頂まで歩いてから下山してもいいなと思っていたが、山頂に2時間も滞在してしまったので、今回は宮城野方面に下山することにした。
ドロドロの登山道を滑って転ばないように慎重に歩いた。
2時間ほど歩いて宮城野まで無事に下山することができた。
しかし足元はドロドロ・・・。
下山後は箱根湯本行きのバスに乗って駅まですんなり移動できると思いきや、道路が渋滞してバスが全然進まない・・・。
公共交通機関を使った登山だから下山後は温泉に入って飲んで食べて・・・と色々考えていたが、全員クタクタに疲れていたので、箱根湯本駅から小田原駅まで移動したところでお開きとなった。
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