忙しかった仕事がひと段落したので予定していた八ヶ岳登山に出かけてきた。
今回は山小屋の赤岳鉱泉にテントを設営し、赤岳周辺の山を歩きつつ、見頃を迎えた高山植物の「ツクモグサ」を撮影するという計画を立てた。
この赤岳周辺は頑張れば日帰りできてしまう山域だが、初めての南八ヶ岳なので2泊3日のテント泊でじっくり楽しみながら歩くことにした。
やまのこ村へ
仕事を終えた僕は用意していたバックパックを車に乗せて、夜の中央道をひた走り八ヶ岳登山口近くのやまのこ村に向かった。
やまのこ村は一般道から外れた荒れた路面をしばらく走る必要がるようで、車を運転しながら車高の低い僕のオデッセイはこのまま先まで進めるのだろうか・・・と少し心配だった。
途中でガンッ、ガリッみたいな音は数回発生していたが何とか辿り着くことができた。
駐車場でそのまま眠り、翌朝の5時少し前にやまのこ村駐車場を出発した。
南沢ルートから行者小屋へ
初日は南沢ルートから行者小屋に向かい、中岳道を歩いて阿弥陀岳・中岳・赤岳と歩く予定。
この日はあまり体調が思わしくなく、行者小屋に到着したところでしばらく体を休めた。
まだ行者小屋は小屋開きしていなかった。
コーヒーを飲みながら同じく休憩中だった初老の男性としばらく談笑しているうちに体調が回復してきた。
行者小屋から赤岳へ
しばらく休憩をとった後、阿弥陀岳方面へ向けて出発。
阿弥陀岳方面へ向かうルートは行者小屋を出てすぐくらいから残雪が目立った。先ほど談笑した初老の男性は、文三郎尾根から赤岳へ向かうとのことで、中岳道の分岐でお別れした。
冬道に迷い込む・・・
僕は中岳道から中岳のコルへ歩き、阿弥陀岳へ登るつもりだったが、途中で積雪時に直登する雪渓ルートに迷い込んでしまった。この日の僕の足元は、トレイルランニング用のシューズで、アイゼンなどの雪歩き用の装備は持ってきていなかった。
途中で引き返そうと何度も思ったが、なんとなく行けそうだなと思い、そのまま登って行ったら徐々に斜度が厳しくなってきてしまい、進むも戻るも・・・という状況になってしまった。
携帯アプリの地図で現在位置を確認すると、すぐそばに正規の登山道があるように見えて、木の枝をかいくぐりながら脇にそれてみたが、それらしい道は見つからず、結局雪渓のルートに戻った。
ルートを外れて彷徨った際に履いていたC3fitのタイツが枝に引っかかって左ももの部分から破れてしまった。
とんでもないところに来てしまったなあと思いながら、トレランシューズにダブルストックで急斜面をじわりじわりと登る・・・。
ようやく雪ではない道を歩けると思ったものの、この辺りは地面がかなり崩れやすくなっており、まだまだ油断はできない。
中岳のコルまでたどり着いた僕には阿弥陀岳へ登る気力は尽きていた。
阿弥陀岳は明日に・・・
阿弥陀岳を見上げてしばし考えるが、やまておくことにした。翌日に逆回りで再びここに来る予定になっているため、その時にまた考えることに。
体力的にも精神的にもすっかり疲れてしまって、阿弥陀岳を諦めたはいいけれど、ここから赤岳に登るかどうかも少し悩んだ。
でも、来た道を戻るわけにもいかないし、とりあえず行けるところまで行こうと思い、中岳・赤岳を経由して地蔵尾根から行者小屋に下ることにした。
中岳から見た赤岳。
登りのジグザクがくっきり。
曇りがかった残念な天気だったが、以外と遠くまで見渡すことができ、穂高連峰と槍ヶ岳もよく見えた。
中岳から赤岳に登り返し、山頂まであと一息。
赤岳の山頂に到着!
赤岳の山頂に到着!
天気は微妙だし腹も減っていたので、山頂で数枚写真を撮って赤岳頂上山荘に向かう。
赤岳頂上山荘でラーメンを食べる
赤岳頂上山荘でラーメンを食べながら休憩した。
下界で食べれば何てことのない味のラーメンも、こういうところで食べるとやたらとうまい。
地蔵尾根を下って赤岳鉱泉へ
休憩後は地蔵尾根から行者小屋に下って、そこから赤岳鉱泉に向かう。
岩場の所々に可愛い高山植物が咲いていた。
これはキバナシャクナゲだろうか。
見頃を迎えていたようで綺麗に咲いていた。
赤岳展望荘の前を通り、
地蔵尾根の分岐点から行者小屋に下る。
凄いところに立っているお地蔵さん。
貫禄がある。
地蔵尾根は所々に階段が設置してあるものの、地面が乾燥してザレていて歩きづらかった。
行者小屋から赤岳鉱泉は危険個所も特になく、ほぼ平坦な道を歩く。ただ登山道に若干の残雪があり、疲れていたせいか滑って何度も尻もちをついてしまった。
赤岳鉱泉に到着
赤岳鉱泉に到着し、テント場の受付をしていると、カウンターの左に夕食と朝食のメニューが書かれた小さな黒板が設置されていることに気がついた。
ステーキ。
赤岳鉱泉のステーキは、以前に雑誌か何かで見た記憶があって、機会があれば食べてみたいと思っていた。
その機会が今日だった。
テントの幕営料1,000円、夕食代2,000円を支払い、テント場にテントを設営した。
そして、受付時に無理を承知で「黒い糸と裁縫用の針ってありませんかね」と聞いてみたら貸してもらうことができた。
破れたタイツを縫う
破れてしまったC3fitのタイツを応急処置で裏側から縫い付けた。
とりあえず肌が露出していなければ遠目にはまったく問題ない。
夕食の18:00までだいぶ時間がある。
特にやることがないので小屋で生ビール800円とおつまみ200円を購入し、外のベンチで飲みながらしばらくぼーっとしていた。
その後、小屋の中の自炊室に大量の漫画本と登山雑誌が置いてあることが分かり、夕飯の時間までそこで時間をつぶした。
この小屋はなかなか居心地が良い。
そしてうっかりしていると、どんどんお金を使ってしまうから注意が必要だ。
赤岳鉱泉のステーキ
ステーキはご覧の通り。
山小屋でこういう食事を2,000円で食べられるって結構お得なんじゃないだろうか。ちなみに、ごはんとけんちん汁はおかわり自由。
温かく美味しい食事を食べればあとは寝るのみ。
就寝
シュラフに入って横になるとテントのフライシートにポツリポツリと雨音が・・・。これはまたダメなパターンか?・・・と思いながら疲れた体を休めるため眠りについた。
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