テント場を歩けばモンベルに当たるというくらい、黄色いモンベルのテントはテント場のいたるところで目に入る。
この黄色いテントの多くは「ステラリッジテント」と呼ばれるモンベルの山岳用テントで、多くの登山者たちに愛用されている。僕もステラリッジテントのユーザーで、テントの購入を考えている人には自信をもっておすすめしている。
そこで今回はモンベルのステラリッジテントがなぜオススメなのかについて書いてみたいと思う。
僕がモンベルのステラリッジテントを購入した理由
登山を初めて2年目の夏。
日本第2位の標高を誇る北岳にテント泊で登った際に、宿泊場所として選んだ北岳肩の小屋のテント場で暴風雨に見舞われ、当時持っていったテントで非常に怖い思いをしたのが、ステラリッジテントを購入するキッカケ。
北岳肩の小屋のテント場では、夜から徐々に強まった雨が深夜にはすさまじい暴風雨に発展した。
「ゴオッ」と耳で聞き取れる凄まじい風音と、テントのポールをへし折ってしまうような強風が次から次へと押し寄せ、僕はほとんど眠れないまま、強風で押しつぶされないようにテントを内側から両手で押さえ続けた。
ほとんど眠れないまま朝を迎え、クタクタになりながら下山して家に戻ると、僕はすぐにパソコンに向かい、強風でも安心して使えるテントをインターネットで探した。
その結果見つけたのがモンベルのステラリッジテントやアライテントのエアライズなどのダブルウォールテント。どいらもテントのポール(骨組み)をクロスさせて耐風性能を向上させているのが特徴で、日本のあらゆるテント場で安心して使えるオールラウンド型であることが分かった。
アライテントのエアライズとモンベルのステラリッジテントは、どちらも形状や作りはそっくりだが、異なっていたのは販売価格だった。
まだ登山を始めたばかりで色々なものを購入して予算に余裕がなかった僕は、安価なモンベルのステラリッジテントを選んだ。
※最新のステラリッジテントはエアライズとは異なる吊り下げ式にモデルチェンジしている
ステラリッジテントの紹介
モンベルのステラリッジテントは現在ステラリッジテント1から6まであり、番号が大きくなるにつれテント内が広くなる。
普段どのような登山をしているかによって選ぶ大きさは変わってくる。
ソロテント泊中心であればステラリッジ テント1〜2、二人で利用することが多いのであればステラリッジ テント2〜3、三人での利用であればステラリッジ テント3〜4となる。
ステラリッジ テント1


ステラリッジテント1は一人用のテントで、シリーズ中もっとも重量が軽い。
下の図を見てもらうとわかると思うが、人が1人寝ると他のスペースはあまりない。
ザックに収納する重量を軽くしたい場合はステラリッジテント1を選ぶべきだが、テントの室内を多少なりでも広々使いたいと考えている方はステラリッジテント2を選んだ方が良いだろう。
本体・付属品を含む総重量:1.34kg
ステラリッジ テント2


ステラリッジテント2は一応2人用のテントとなっているが、大人2人が寝るにはスペース的に若干厳しいものがある。
ステラリッジテント1とさほど重量が変わらないことから、ソロテント泊中心でテント内を広々使いたい方はステラリッジテント2がおすすめ。
※僕が持っているテントはこのタイプの旧型
本体・付属品を含む総重量:1.43kg
ステラリッジ テント3


ステラリッジテント3は最大3人まで利用可能ではあるが、画像を見てもらえば分かる通り、頭と足を交互にして寝ることでなんとかテント内に収まることから眠るには慣れが必要になってくる。
ストレスなくすごすには2人での利用がベストだと思う。
本体・付属品を含む総重量:1.75kg
ステラリッジ テント4


ステラリッジテント4は最大4人まで利用可能。
こちらもステラリッジテント3と同様に頭と足を交互にしてなんとか4名収まるといった具合である。このサイズになってくると、ある程度広い設営場所を要するため、テント場によっては場所の確保が難しい場合があるので注意が必要だ。
北アルプスの高所などでは、ひとつひとつのテントサイトが狭く設営が難しいテント場があるため、ステラリッジテント4のような大きなテントを購入予定の方はそういう事態が起こりうるということも想定していた方がよいだろう。
本体・付属品を含む総重量:2.00kg
ステラリッジ テント6

ステラリッジテント6は最大6人まで利用可能で、ステラリッジシリーズでもっとも大きなテント。
他のシリーズはフライシートが別売だがステラリッジテント6のみフライシートが付属する。このサイズになってくると、テントのサイズを前提に登山の計画を立てる必要が出てくる。
本体・付属品を含む総重量:4.21kg
ステラリッジテントの良いところ
- 風に強い頑丈な作り
- デザインがシンプルで飽きがこない
- 設営が簡単
風に強い頑丈な作り
ステラリッジテントは強風下でも安心して使えるテントで、正しく設営すれば日本国内のあらゆるテント場で安心して使うことができる。
涸沢のテント場のように岩がゴロゴロしてペグが刺さらないような場所でも、テント本体から長さを調節できる網引きが出ているため、紐の長さを調節して岩にくくりつけてテントを固定させることができる。
設営が簡単
ステラリッジテントは簡単に設営することができ、強い力を必要としない。
したがって女性でも問題なく設営することができる。購入時に説明書をちゃんと読んでおけば、ぶっつけ本番でも問題なく設営できるだろう。
もしテント場で設営に困っても、ステラリッジテントのユーザーがその辺にいるはずなので、遠慮せずに声をかければ設営を手伝ってくれるはずだ。
ステラリッジテントの残念ポイント
非常に気に入っていて満足度の高いテントだが不満な点が少しだけ・・・。
- 前室が狭い
- テント場で同じテントが被る可能性大
前室が狭い
前室というのは、インナーテントとフライシートの間の隙間のことで、このスペースに脱いだ靴を置いたり、火器を扱って調理したりする。
モンベルのステラリッジテントは入り口が狭く、全室が結構狭い。
晴れた日のテント泊であれば、テントの外で調理をすれば良いのだが、雨が降ったりして天気がすぐれない場合は狭い全室での調理は結構面倒だったりする。まあ慣れればさほど気にはならないが。
テント場で同じテントが被る可能性大
モンベルのステラリッジテントは利用者が非常に多いため、混雑したテント場に設営すると自分のテントを見失ってしまう場合がある。
最近はフライシートが別売になり選べる色が増えて、以前のようなテント場が黄色いモンベルだらけという状態からはだいぶ改善はしているが・・・。
僕がモンベル ステラリッジ テント2型で宿泊したテント場
ソロテント泊中心であれば、もっとも軽量な1型を選ぶのが一般的だが、僕の場合はテントの中を広々と使いたかったため、あえて2人用の2型を選んだ。
重量も0.13kgしか変わらないため、それなら広い方が良いなと思い2型を購入した。
そして北アルプスを中心にこれまで幾つかのテント場でステラリッジテントを設営し宿泊してきた。
ゴールデンウィーク直前に登った残雪期の燕山荘のテント場。
ゴールデンウィークに登った蝶が岳のテント場。雪上の右端の上に見切れている黄色いのが僕のテント。
夏になる少し前の赤岳鉱泉テント場。
夏休みに裏銀座を縦走した際の烏帽子小屋テント場。テントから撮影したためテントは写らず。
裏銀座縦走2日目の三俣山荘テント場。右端のが僕のテント。
裏銀座縦走の寄り道で訪れた3日目の黒部五郎小舎テント場。
裏銀座縦走最終日の槍ヶ岳山荘テント場。一番手前。
シルバーウィークに訪れた涸沢のテント場。
初めてテントを購入するならステラリッジテントがおすすめ
もし色々ある山岳用テントの中で、どれを買えばいいのか迷っている方がいるのであれば、僕はモンベルのステラリッジテントをお勧めする。
しっかりしたつくりで室内も広々。
日本の山のテント場であればどこにでも設営が可能だ。


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